5月・6月あたりに聞いていた音楽
ここ最近聞いていた音楽。いつか振り返るための備忘録。
1. HALFBY - Slow Banana feat. Alfred Beach Sandal(Official Music Video) - YouTube
HALFBYのアルバムは冬に発売してたけど、夏に合う感じ
すぐにvideotapemusicが作ったとわかる映像。こないだ見に行ったceroの野音もVJを彼が担当してたんだけど、それがめちゃくちゃ良かった。
2. Homecomings "PERFECT SOUNDS FOREVER"
HALFBYと同じセカロイのHomecomingsの新譜もよく聞いている。MVの曲はタイトルの時点で優勝って感じなのに、歌詞も良い。アルバムだとこの次のButtersandって曲も好き。
ホムカミはアルバム発売日あたりにustやってて、そこでカバーしてた髭の「サンシャイン」、懐かしくて同世代感があった。あとは、止められてたけど、アジカンの「海岸通り」とかこんないい曲だったっけ?って感じだった。
3. Yumi Zouma - Keep It Close To Me - YouTube
スウェーデンに留学していたころにEPが出て話題になってた記憶だから、ようやくって感じではあるけど、めちゃいいので問題なし。
4. CAN'T STOP THE FEELING! (From DreamWorks Animation's "Trolls") (Official Video) - YouTube
面接終わった後に聞いていた。面接から開放された喜びとよく合う曲。MV始まって1分くらい経ったところで出てくるドーナツ屋さん、多分「アイアンマン」で出てきたお店。「Dope」にも出てきた気がする。
ジャスティン・ティンバーレイクを、彼のことを知らない人にどう説明するかという話になって、自分は「ジャスティン・ビーバーの10年後みたいな人」と例えたけど、「歌って踊れるキムタク」って例えた先輩の方が近い気がする。
あとはMayer Hawthroneの新譜やRadioheadの新譜も聞いた
Apple Musicなんだかんだ便利なので、生活に欠かせなくなっている。
タマフルの「海外翻訳小説の身もフタもない楽しみ方を学ぶ」特集が面白かった話
1ヶ月前ほどのタマフルの「海外翻訳小説特集」がとても面白かったので、最近はちょっと意識的に海外文学作品を読むようにしている。ちなみに、それまでは1年に5冊くらい読むペースだったのだが、ここ1ヶ月で4冊ほど読んでいる。
もうすぐポッドキャストの期限が切れてしまうので、今のうちに聴いてみてもらいたい。
その特集が面白いと感じた点が2点あった。2の方が個人的には重要。
1. 敷居が低かった
特集のゲストは、個人的には「東京マッハ」でお馴染みの米光一成さん。東京マッハとは何?って方はこちらのエントリを読んでいただければ。
最近まで翻訳小説を読みきる力がなかったという米光さんが、読むための細かすぎるずるいワザ(付箋を貼るは即採用)や、思わず共感できる翻訳小説を読むときの障害などを語ってくれるので、作家や愛好家が語るよりも敷居がとても低かった。
2. 海外文学を読む醍醐味を再認識した
翻訳小説を読むことのメリットで挙げられていたのが、「平和になる!」。
「大きく出たな〜」と内心思っていたが、そこからのうたさんとの会話はパンチラインだらけだった。
簡単に要約&抜粋すると
・翻訳は決して日本語から外国語に置き換えるということだけを指すのではない。そもそも、言葉を発するという行為は、自分の気持ちや考えを翻訳するいうことと同義である。だから、自分のモヤモヤした思いをうまく言語化できない人は、人間関係がうまくいくはずない。
・海外文学を読んでいるときに、スルスル読めずに違和感を覚えるというのは、異文化に接したときに覚える違和感と一緒で、そこに気付き、汲み取ろうとすることにこそ、楽しさがある。日本人が日本人に向けたエンターティメントだけに触れていると、そこに気付きにくいのでは?
・相手が何をどういう風に言おうとしているのかを汲み取ろうとする訓練をするためには他者が絶対に必要
・わからないものに意識を向ける方が楽しいって感覚は分かる
自分がブログを書こうと思った理由の一つに、自分が感じていることをきちんと言葉にできるようにしたいという思いがあったことを思い出させてくれるような内容だった。
あとは、こういった記事やツイートなどを思い出した。
いちばん大切なのは、ある作品を「おもしろい」と感じるとき、それがどれくらいおもしろいのか正確に理解する力じゃないでしょうか。100のおもしろいと、60のおもしろいを同列に扱っている人が多い気がします。
自分の住む小さな世界の幸せを愛おしむ、みたいなのは年取ってからでいいので、十代には広い世界を夢見て欲しいし、自分がいる場所はそこにつながっていると信じて欲しい。海外文学や外国映画は若い世代にものすごく有効だし重要です。
— 山崎まどか (@romanticaugogo) 2015年1月23日
ちなみに、海外文学と一口にいっても色々あるけど、短編小説なら比較的こんがらがることなく読める気がするし、新潮クレストブックから出ている本は基本的に面白い。
面白い短編といえばこれとか
- 作者: ジョンアーヴィング,John Irving,小川高義
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/08
- メディア: 文庫
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特集で言及されてたこれらの本は無類に面白い
ここ最近読んだ本はこんな感じ
これから読もうと思っている本はこれら
2016年5月に読んだ本
小説の感想で1記事を書けるほどの語彙力や文章力はないのだけども、だからといって読書メーターに記録だけを残すだけでももったいないので、これからは各月毎にまとめて紹介しようと思った。
1. ラッタウット・ラープチャルーンサップ 「観光」
- 作者: ラッタウットラープチャルーンサップ,Rattawut Lapcharoensap,古屋美登里
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/08/30
- メディア: 文庫
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このブログで紹介されていてずっと前から気になっていた本
豚に「クリント・イーストウッド」という名前をつける主人公が登場する「ガイジン」が面白かった。
優れた物語を読んだというだけでなく人と世の真実を知った、と読者が思うような短編を書ける作家は極めて少ない。ラープチャルーンサップはそういう貴重な作家のひとりである。
2.シーナ・アイエンガー 「選択の科学」
- 作者: シーナ・アイエンガー,櫻井 祐子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/11/12
- メディア: 単行本
- 購入: 27人 クリック: 666回
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留学中、ベタではあるがTEDをいくつか見て勉強していた。その中でも、記憶に残ったのが、この本の筆者でもある彼女が話したこのスピーチだった。
この本自体も面白かったのだけど、図書館で借りたのでそもそもかさばるし、メモを残せないからあまり内容が自分の中で整理されていない。今度読むときは文庫版で。
たとえささいな選択であっても、頻繁に行うことで、「自分で環境をコントロールしている」という意識を、意外なほど高めることができるということだ。
人間の自己決定権や無力感の捉え方は、外部の力だけで決まるわけではない。人間は、世界に対する見方を変えることで、選択を生み出す能力を持っているのだ。
たとえ状況が自分の手に負えないように思えても、自分の力で何とかするという気持ちを持つことで、より健康で幸せな日々を送ることができる。
3. ケリー・マグゴニガル「スタンフォードの自分を変える教室」
「サーチ・インサイト・ユアセルフ」を読んだときにも書いたけど、最近は心を強くすることに関心が向いている。その流れで読んだ本。
一日分でもいいですから、その日に行なった選択をふり返ってみてください。一日の終わりに、「自分がいつ目標を達成するための選択、あるいは妨げてしまう選択をしたのか」を分析してみましょう。そのように自分の選択をふり返って意識することで、いい加減な選択の数が減っていきます。それにより、意志力は確実にアップします。
問題は、理論をインプットした上で、どう日々の生活に落とし込むのかという点にあると思う。それができないと、いつまでたっても、いろいろな本を読むことに時間を費やすだけで、意味がないなーと。
そのほかの本はなんだかんだブログに感想を書いているのでよかったら読んでみてほしい。
「サーチ・インサイド・ユアセルフ」とオードリー若林から学ぶ「自信」
引き続き、「サーチ・インサイド・ユアセルフ」で書かれていて印象に残ったことをまとめる。今回は自信の話について。ここでも、思わぬところで他の人とのつながりを発見したから楽しかった。
サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法
- 作者: チャディー・メン・タン,ダニエル・ゴールマン(序文),一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート,柴田裕之
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2016/05/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ちなみに前回は村上春樹の本で書かれたこととの関連性についてまとめた
継続的に自分自身に自信を保つための2つの秘訣として、自己認識と、(自分に)正直であることの重要性が挙げられている中で、こんな文章がでてくる。
私はエンジニアだから、それをこんなふうに考えている。
自分の失敗モードと復元モードという、私が機能するうえで重要なふたつのモードを理解すれば自信につながるのだ。
あるシステムを完璧に理解し、それがどんなふうに故障するかを正確に知っていれば、それがどんなときには故障しないかも知っていることになる。その場合、私はそのシステムが完全ではないことを知っていながら、そのシステムに対して強い自信をもつことができる。なぜなら、どんな状況でも何をどう調節すればいいか、わかっているからだ。そのうえ、故障のあとシステムがどう復元するかも正確に知っていれば、故障したときにさえ自信をもっていられる。システムがすばやく復旧して、故障が取るに足りないものとなる条件がわかっているからだ。
これと同じように、自分の心や情動や能力について、両方のモードを理解していれば、これほど多く欠点を抱えていようと、こんな外見をしていようと、私は自分に自信をもつことができる
この文章を読んだときに、すぐに若林の本のことを思い出した。
去年の年末に読んで以来、ことあるごとに読み返している本。ここにも勿論ランクインしている。
この本の中でネガティブと自他共に認められている若林もこんな風に語っている
ぼくらのような 人間はネガティブで考え過ぎな性格のまま楽しく生きられるようにならなきゃいけないんですよ。
前にも書いたけど性格は形状記憶合金のようなもの。なかなか変えられない。だから、変えるんじゃなくてコントロールできるようになればいい。一人でいる暇なときに限ってネガティブの穴にハマることが多い。そんな時、鳥瞰図的な視点で自分を見てみるとただソファに座ってたりベッドに横になってたりするだけなんですよね。心は荒れてるかもしれないけど、”何も”起きてないんですよ。だから、大丈夫なんですよ。
そんな時は、自分と思考をつなぐクラッチを外して、趣味や家事に没頭してみたり。それを何千回と繰り返すうちに癖になって、なんとなくネガティブといい付き合いができるようになる。ぼくは自分を変えるなんてめんどくさいこと、だいぶ前に投げ出しちゃいました。
この話などを踏まえて、最近は、なんとなく自分の心の状態をモニタリングしようという意識がついている。心が内向きになってしまった時に、内向きになっていることを認識した上で、乗り越える方法をいろいろ試してみたい。
余談だけど、こないだのANNでの若林の「俺は、仕事嫌だなぁって思ってる人を元気づける漫才がしたいんだよ、仕事も楽しくてプライベートも楽しいなんてヤツは笑わなくたっていいんだよ!」って叫び、冗談半分で言ってそうだったけど、迂闊にもグッときてしまった。
「サーチ・インサイド・ユアセルフ」と村上春樹が語る「痛みと苦しみ」
「How Google Works」を読んでから、Googleの、科学的な知見を日々の働き方に落とし込む姿勢に関心を持っていたところにまた新たな本が発売されたので、早速読んでみた。
サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法
- 作者: チャディー・メン・タン,ダニエル・ゴールマン(序文),一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート,柴田裕之
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2016/05/17
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若干乱暴に本の話をまとめると、心の整え方を教えつつ、心が整うと、生活がどのように変化するのか?について語っている。
つい最近までこの手の話には全く興味がなかったのだけど、近頃はこの手の本にも手を伸ばすようになった。
理由としては2つほどあって、1つ目は、もうすぐ社会人になるし、お金や地位に振り回されることなく、鬱にならずに一生懸命仕事をしながら、幸せに生活していくためにはどうしたらいいのだろうか?みたいな抽象的なことを考えるようになったこと。
2つ目は、元々あまり自分に自信を持てないタイプの性格で、それが故にあまりうまくいかないこととかもあって、これからその性格にどう折り合いをつけていったらいいのか、みたいなことを考えるようになったこと。
ただ、どちらにしてもなるべく科学的な裏付けが取れている知識を学びたいという思いは持っている。
本の中身の話に戻すと、様々な示唆があった。その中でも、まずは「痛みと苦しみ」についての話が印象に残った。
途中、こんな話が出てくる
瞑想からは、人生を変える重要な悟りがいくつも得られる。なかでもとくに重要なのが、痛みと苦しみは質的に別個のもので、痛みはかならずしも苦しみに結びつかないという悟りだ。そして、この悟りのもとは、執着を捨てる練習にたどれる。
肉体的な痛みがあり、それとは別に嫌悪の経験がある。未熟な心はこのふたつを、ひとつの分かち難い経験にまとめてしまうが、鍛えられた心はふたつの別個の経験を見分け、一方がもう一方をもたらしていることを悟る。
だいぶスピリチュアルっぽい話なので、普段なら「何言ってるかよくわからないわー」って読み飛ばしてしまいがちなんだけど、今回は違った。なぜなら、その前に読んだ村上春樹の「走ることについて語るときに僕の語ること」に偶然同じような話が出ていたから。
Pain is inevitable. Suffering is optional.
それが彼のマントラだった。正確なニュアンスは日本語に訳しにくいのだが、あえてごく簡単に訳せば、「痛みは避けがたいが、苦しみはオプショナル(こちら次第)」ということになる。たとえば走っていて「ああ、きつい、もう駄目だ」と思ったとして、「きつい」というのは避けようのない事実だが、「もう駄目」かどうかはあくまで本人の裁量に委ねられていることである。
この言葉は、マラソンという競技のいちばん大事な部分を簡潔に要約していると思う。
この本では、走ることを媒介にして、自分の小説家としての生き方やこだわりを振り返る。村上春樹作品では孤独なキャラクターが出てくることが多いが、彼自身は孤独をどう捉えて、それとどう向き合っているかなどについて改めて知ることができるのだが、「サーチ・インサイド・ユアセルフ」と同じ話がたまたま出てきてびっくりした。
正直言って、自分はまだまだ「痛み」と「苦しみ」の違いが分かっているとはとても思えない。ただ。こういった考え方があるといったことは頭の片隅においておきたいなーと思った。
是枝裕和「歩くような速さで」・「世界といまを考える」
中学生の時に「誰も知らない」を見て衝撃を受けて以来、大好きな映画監督の一人である是枝監督の新作「海よりもまだ深く」が週末に公開される。これを機に、エッセイ「歩くような速さで」・対談集「世界といまを考える」を読んだので、新作を見る上でヒントになりそうな部分を2つほど探してみた。
1. 家の扱い方
このインタビューによると、今作は監督が生まれ育った団地が舞台になっているとのこと。「歩くような速さ」では故郷についてこう語っている。
一戸建てに生まれ育った母にとっては集合住宅というのは何とも居心地が悪かったらしく、「仮住まい」という感覚がずっと消えなかったように思う。残念ながらということになるのだろう、父も母もこの団地が終の住処になった。
僕自身も団地を離れて20年が経ち、帰郷する場所を失ってから既に5年になる。故郷と呼べる場所はこの世に存在しないという寂しさ。自分のこどもにとって今住んでいるマンションがやがて「故郷」と呼べる場所になり得るのだろうかという不安。いつかそんな感情も映画の中で描いてみたいと思っている。
「海街dairy」では、何代も住み続けた家が舞台として重要な役割を担っていたが、今作では家がどのような役割を果たしているのかについて注意してみたいと思う。
2. 描きたい世界
今回の作品は事前の情報だと、これまでの作品のような子供の取り違えや、子供の置き去りといったわりと、言い方は悪いが「キャッチーな出来事」はなさそうな地味な作品という印象を抱いている。阿部寛がうだつの上がらない中年を演じるという共通点もあるので、これまでの作品でいうと、「歩いても 歩いても」に近そうな雰囲気
「歩くような速さで」は、こう書かれている。
僕は主人公が弱点を克服して家族を守り、世界を救うといった話が好きではない。むしろそんなヒーローが存在しない等身大の人間だけが暮らす薄汚れた世界が、ふと美しく見える瞬間を描きたい。そのために必要なのは歯を食いしばることではなく、つい他者を求めてしまう弱さなのではないか。欠如は欠如ではない。可能性なのだ。そう考えると世界は不完全なまま、不完全であるからこそ豊かだと、そう思えてくるはずだ。
「世界といまを考える」では、
僕の場合は、演技を撮るわけではなく、その人がそこで生活をしていて、その周りに人がいて、家があり、町があり、世界がちゃんとそこにある。彼らは映画が終わったあともそこで暮らし、もちろん映画が始まる前もそこで話したり、笑ったり、泣いたりしていたんだろうという、そういう世界を映画という枠組みの中に立ち上がらせたいんです。
こういった発言からも、今回はより普遍的な日常に寄り添った話になりそうな気がしている。
あー楽しみ!!
以前見た「奇跡」・「海街diary」の感想はこちら
松田青子「ロマンティックあげない」
松田青子さんの新しいエッセイ集「ロマンティックあげない」を読んだ
カラフルなワンピースに電動ノコギリという印象的な装画はKelly Reemtsenという人によって描かれたもの。松田さん曰く、ネットでの連載時から単行本になった際は、彼女に装画を依頼しようと思っていたとのこと。前回のエッセイ集「読めよ、さらば憂いなし」など、それまでの作品は名久井直子さんが装幀を手がけていて、それらも素敵だった。
「読めよ、さらば憂いなし」の感想は以前に書いたので、読んでみてほしい。松田さんに興味を持ったきっかけなども書いてある。
「読めよ、さらば憂いなし」では、小説・マンガ・ドラマなどがメインで書かれていたが、「ロマンティックあげない」では普段の生活の中で気付いたことなどがメインで書かれている。
いくつかのエッセイの切り口は、海外文学に精通しているという類似点もあって、どこか岸本佐知子さんのエッセイを思い出させる。瑣末なことから段々妄想が膨らんでくる感じ。(書いてて思ったけど、エッセイって元来そういうものかもしれない...)
こっちはまだ読んでないから早く読みたい
話を「ロマンティックあげない」 に戻して、印象的なエピソードを3つあげる
1. 隣の席の人
2. 時代は特に変わっていない
3. 「心のこもった」はタチが悪い
1は、自分が思い入れのある映画館でのエピソードだから嬉しくなった。2・3は、社会的な事象について語ったエピソード。松田さんは前のエッセイでもそうだったけど、そういった事象でも意見をいうことを恐れないし、尊敬できる大人の女性って感じがしてそこも好き。
生活や仕事をしているだけなのに、ただその場にいるだけなのに、トンチンカンな言動が爆弾みたいに投下される。その瞬間のアホらしさ。そしてそれに気を遣って笑わなければいけないむなしさ。一人でもそういう木枯らし気分を味わう人がいる限りは、時代は変わっていない。
「問題のあるレストラン」とか好きな人にも読んでもらいたい。
もちろん、そういった社会的なトピックだけでなくて、バレエ「白鳥の湖」に興奮した話とかユーモアのあるトピックもあるので気構えず読めますよ〜