「自撮り」を肯定する
ここ最近、自撮りに関する文章を立て続けに読むという偶然があった。
最初は、早稲田リンクスによる山崎まどかさんのインタビュー
vol.30 だから、世の中には君らしさがある | Palette
山崎さんは、高校生くらいからずっと影響を受けている方で、このブログでも何回も言及している。最近だと、このエントリとか。
そこで、自分の容姿を綺麗だと認識するための方法として自撮りが挙げられている。
自撮りはいい例だと思います。でもそれに対して「そんなに可愛くないような女の子がなに角度つけて写真を撮って、うぬぼれだ」とか「自己承認欲求が強い」って反発する人もいます。私は全然悪いと思いません。誰もがそういう、うぬぼれ鏡を持つべきです。そうすると、自分のいいところや美しさが誰にも奪えなくなります。誰かが「お前はブスだな!」って言っても「自分は自分の綺麗なところ知ってるよ!」って、それだけ随分違いますよ。
「うぬぼれ鏡」ってワードが良くて、自分でも使ってみたい。
自撮りとは直接関係ないのだけど、インタビューでは、海外の方が頻繁に褒め言葉を耳にするって話が出てくるんだけど、それは同意で、サラっと褒めてくれる人が多い印象。ロンドンのスマイソンで店員さんに「excellent!」を連発された時は、照れつつも嬉しかった。あと、何気なくカフェの店員がメガネを褒めてくれたりとかはよくある。
ただ、日本だとあまり褒められても記憶に残らないというバイアスがかかっている気もする。
次に文月悠光さんの「洗礼ダイアリー」
普段、詩人として活躍している文月さんが、穂村弘に勧められたことがきっかけで、「詩人」に対する凝り固まったイメージを打ち破るために書き始めたエッセイ。
柚木麻子さんが推していたから間違いないと思って購入。文月さんは、山崎さんが選考委員を務めたこともあるミスiDで柚木さんのプッシュを受けて個人賞を受賞した過去もあるので、文化圏が近い。
小さい時からあまり泣けなかった著者が、とうとう〈電車で泣く女の子〉になった瞬間の心情の移り変わりを細かく描写した「山手線号泣」や、大学卒業後に駅のジューススタンドのアルバイトを始めた「いらっしゃいませの日々」も面白かったけど、ここでは、自撮りをして、さらにSNSに挙げてしまう心情について描かれた「自撮り流星群」の話を。
携帯電話を持つようになった15歳のときから、自撮りをするようになった著者が、自撮りの持つ様々な観点についてふれる。
私たちは誰もが、ぼんやりとでも「こう在りたい自分」のイメージを思い描き、それを晒す自由を持っている。自撮りをする理由?そんなの「自分のため」に決まっている。私は自撮りを肯定したい。自己満足を愛したい。そこには、誰の評価にも屈しない強さがあるはずだから。
これは、前述の山崎まどかさんの発言とも通じる。
自分の顔ヘカメアを向ける。レンズの向こう側へと精一杯のまなざしを送る。自らの意志で晒すことを決めた。だけど、私は一方的に「見られている」のではない。
この目を通して、あなたという他者を「見ている」のだ。
こういう「見る」「見られる」の反転の表現は映画的な感じがして好き。
もともと、自撮りという行動に関してはわざわざ「可愛くないのに自撮りなんて云々」みたいな思考停止したことを言っている人も苦手だったけど、実は見る人の態度を試されているものなんだなと浅薄ながら考えました。Facebookで繋がっているスウェーデン、ベトナム、フィリピン、インドネシアの友人たちはバンバン自撮りをあげるイメージがあるので、日本人ももっと自撮りに寛容になったら、性別に関わらず多様性のある世界につながったりするかもね。
「青春映画学園祭」のこと
この週末は、「青春映画学園祭」というイベントに参加した。
このイベントはGucchi's Free Schoolという、日本で劇場公開されていなかったり、日本版のDVDが発売されていない映画を紹介している映画サイトが企画したもの。
サイトはこちら
今回の映画祭では、「6才のボクが、大人になるまで」でお馴染みリチャード・リンクレイター監督の「Slacker」等7作品が3日間で上映されたんだけど、その内の2作品「ビヨンド・クルーレス」・「スペクタキュラー・ナウ」を見た。
その映画の感想も後ほど書くとして、「ビヨンド・クルーレス」上映後の山崎まどかさんと長谷川町蔵さんのトークショーが面白かったので、気になった点を3点メモしておく。
- ジョン・ヒューズ映画の影響で80年代アメリカの文化系の子供たちはThe SmithやThe Cureといった80年代のUKバンドを聴いているっていうイメージが出来ているけど、実際はそんなことはなかったはずで、歴史が改ざんされているのでは。最近の有名な例だと、ストレンジャー・シングスの行方不明になる子供のお兄ちゃん。恐るべしジョン・ヒューズ。
- ティーン向けの映画に出たことを黒歴史にする役者がいるけど(例:「恋のから騒ぎ」に出たヒース・レジャー)、後にそのティーン向けの映画(この映画は必ずしもその時一番売れた映画とは限らないところもポイント!)を見て、影響を受けた人達がクリエイターとして第一線で活躍するようになると、彼らを再び抜擢して、そこからキャリアが巻き返せるなんてことも起きているから、あんまり黒歴史にしない方がよいのでは?(例:「ヘザース」に出てたクリスチャン・スレーターとウィノナ・ライダーはそれぞれ「Mr.Robot」と「ストレンジャー・シングス」で人気再燃中)
10 Things I Hate About You: Can't Take My Eyes Off You (Heath Ledger) -
学園映画というのは、若い監督・俳優が必要なジャンルであり、年代が進むにつれて、基本的なフォーマットやお約束はありつつも、実はアップデートされている。例えば、最近で言うと「DOPE」のようにキャラクターに多様性が出てきたりとか。また、作り手の学生時代がどうしたって反映されてしまうものであるから、そういう要素を考えながら見てると飽きない。二人の口から出た注目作品は「ドープ」の他に「ぼくとアールと彼女のさようなら」(これは面白かった!)、「スパイダーマン・ホームカミング」、「Dear White People」、「The Edge of Seventeen」
トークショーのメモは以上で、簡単に映画の感想を書いておくと、「ビヨンド・クルーレス」は95~04年くらいの200本ほどの学園映画を5つの章に分けて、カットアップしたりして「アメリカの学園映画とはなんぞや?」みたいな真理に迫る作品だった。プールサイドのラブシーンがどんどん流れてくるシーン圧巻だった。ジェイク・ギレンホールが無菌環境の部屋で育てられてたけど、好きになった隣人のためにとうとうその部屋を出て、旅に出る「バブル・ボーイ」が超面白そうだった。
「スペクタキュラー・ナウ」は、ここまで直球の設定の青春映画も珍しいのではと思った。主人公もヒロインのキャラクターもどこにでもいそうな感じだし、二人の間に立ちはだかる障害もどこにでもありそう。丁寧っちゃ丁寧なんだけど、どこか物足りなく感じてしまった。「セッション」のマイルズ・テラーはジャズドラマーを目指さないし、「ルーム」のブリー・ラーソンは部屋に閉じ込められることもなく、高校を卒業する。
「青春学園映画祭」は志も高いけど、敷居はそれほど高くなくて、手作りのパンフレットのクオリティも500円とは思えない超充実の出来で良きイベントでした。
彼らが以前企画した「アメリカン・スリープオーバー」(傑作!)のアンコール上映が決まったみたいなので、気になったかたは見てみるといいかも。
2016年夏 東京〜愛媛・香川までの旅行記
中学時代からずっと仲の良い後輩と5泊6日の旅行に行ってきた。その備忘録ブログ
とりあえず、二人ともお金に余裕がなかったので、大体予算3万円くらいで出来る限り旅行しようということでスタート。ちなみに、旅行に行くことが決まったのも2日前というバタバタ感。
1日目 用賀〜浜松 by ヒッチハイク
1日目は16時頃に集合して、用賀からヒッチハイクすることに。
後輩が以前、ヒッチハイクで約5時間で行ったことがあったのと、共通の友人がいたこともあって名古屋までを目標にした。
私はヒッチハイク初体験。1人なら絶対出来ないから、友達がいてくれてよかった。
始めてみると、予想より車が止まってくれなくて、夜行バスに切り替えようかなんてことを考える時間帯もあったし、車から写真を撮られてイラッとする瞬間もあったけど、2時間くらい経ったタイミングで載せてくれる人が現れる!
その方は、ヒッチハイカーを載せ始めて6年くらい経っていて、奥さんとの出会いもヒッチハイクというヒッチハイクの申し子的な方だった。その方に足柄SAまで連れて行っていただく。
足柄SAでは、10分くらいで次に乗せてくれる方が現れる。今度の方は対照的に、初めてヒッチハイカーを載せたというデビュー戦の方だった。その方は仕事の都合で浜松に行くつもりだったとのことで、浜松までご一緒させていただくことに。
テレビやブログとかで見聞きしたことはあったけど、実際にヒッチハイクに成功するとめちゃくちゃ嬉しいことが判明した。これで人生観が変わるとかではないけども。
浜松に22時頃着く。このまま名古屋まで行っても良かったのだけど、友達が浜松に住んでいるので、その家に泊めてもらうことに。GWも遊びに行ったのだけど。
友達との合流後は、ヒッチハイクの達成感に浸りながら、この温泉へ行った。良きとこでした。
2日目 浜松〜尾道 by青春18切符
この日は、当初大阪までヒッチハイクをするつもりでいたのだが、泊まるあてが見つからないことや、とっとと西日本行きたいねって雰囲気になったことがきっかけで、浜松駅付近の金券ショップで青春18切符を購入する。2回分で5400円のものが一つしか売ってなくて、それを買わざるを得なかった。
ただ、静岡を出る前にやっぱりさわやかに駆け込む。開店前に並んだので、全く混まずにいただく。
初めて食べた友人も満足した模様。旅の最後まで「さわやか、また行きたいっすね」を連呼していて良かった。
ここからは、大阪で途中たこ焼き休憩を挟んだ以外、ノンストップで尾道まで行った。
21時くらいに尾道に着いて、電車内で調べて、予約しておいたゲストハウスに泊まる。
ゲストハウスは快適だった。スタッフ方の対応や部屋の清潔さなどを考慮しても2500円は安すぎ。
友人はつい最近までバングラデシュにいたし、僕も東南アジアへの旅行(フィリピンの田舎の島に行ったことも)を通して、宿に贅沢は求めない傾向にあると思うけど、それを差し引いてもオススメです。
ここも良さそうだった。予約でいっぱいだったけど
尾道空き家再生ゲストハウス「あなごのねどこ」 | 尾道空き家再生ゲストハウス「あなごのねどこ」
宿にチェックインした後は、近くの温泉を勧められたので、 再び温泉へ行ったのち就寝。
尾道みなと館について | 尾道 天然ラジウム温泉 宿泊 | 尾道みなと館
追記:とにかく行き当たりばったりの旅だったので、移動中に色々調べまくりながら進んだのだけど、その中でも役に立った記事が下の2つ
「くるりの20回転」に入っていないけど、私が大好きな10曲
くるりがバンド結成20周年を記念したベスト盤を出した。
くるりの20回転(初回限定盤)<CD3枚組+デジパック仕様+豪華・特典ブックレット+スリーブケース>
- アーティスト: くるり
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中学生のときからずっと好きで、全盛期ほどの熱量はないにしても、今でもなんだかんだ一年に一回はライブを見に行っているし、好きだと胸を張って言える。そんなバンドは、くるりだけ。
だから、このベスト盤の選曲を見たときに、「名曲揃いだし、入門編としては理解できるけど、あまりにひねりがなさすぎるんじゃない?」とほんの少し不満を持ってしまった。
その勢いで、このベスト盤に入っていないけど、自分が好きな曲を10曲考えてみると
- THANK YOU MY GIRL 「THE WORLD IS MINE」収録
- ブレーメン BREMEN 「ワルツを踊れ」収録
- 恋人の時計 「ワルツを踊れ」収録
- ピアノガール 「図鑑」収録
- 惑星づくり(Live ver. at パシフィコ) 「Philharmonic or die」収録
- 虹色の天使 「NIKKI」収録
- 太陽のブルース 「魂のゆくえ」収録
- すけべな女の子 「僕の住んでいた街」収録
- 愛なき世界 「TEAM ROCK」収録
- さっきの女の子 「TOWER OF MUSIC LOVER」収録
あたりになりました。
みなさんはどうでしょうか?
自分はスーパーカーも大好きなので、9の愛なき世界とスーパーカーのfairwayを聞き比べると胸が熱くなる。
[Last Live] "FAIRWAY" SUPERCAR スーパーカー
10曲あげて気づいたけど、TOWER OF MUSIC LOVERの1と2を借りれば大体網羅される曲目かも...
毎回雰囲気がガラッと変わるのがくるりの特徴だから、「くるりの20回転」が気に入った人は、どんどんオリジナルアルバムに手を出してみると楽しいと思う。
ここからは、くるりと自分の接点を振り返る自分語りなので、読み飛ばしてください...
出会いは中学一年生のときで、自分は6組だったけど2組で流行りだしたことがきっかけだったと思う。その後、当時出たこのベスト盤を聴き倒した。今振り返ってもディスク1の曲は全部無類に好き。歌詞も全部わかる気がする
ベストオブくるり/ TOWER OF MUSIC LOVER
- アーティスト: くるり,岸田繁,Fran Flannery,佐久間正英,Nick Hannan,Liam Watson,根岸孝旨
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その後出た「ワルツを踊れ」が初めてリアルタイムで間に合ったくるりのオリジナルアルバムだったので、これもめちゃくちゃ聞いた。人生で、音楽が自分の生活に占める比重が一番大きかった頃の大事なアルバム。
- アーティスト: くるり
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なんなら留学中、ウィーンに旅行して、このジャケ写の場所にわざわざ行っている。
大好きな「ワルツを踊れ」のジャケ写のとこ!
— m.n (@M_Tenenbaum) 2015年4月5日
ちょっと当時と変わっててわかりづらい… https://t.co/KOfOZJuWfl
そこからは、新譜もちゃんと聞いているし、それ以前のアルバムも全部聞いている。
そんな遍歴のリスナーなので、正直もっくんがいたときの3人のくるりが好きな初期ファンの方にはちょっと遠慮しちゃう感じではある。
今このブログを書く直前に気付いたことなんだけど、くるりのどういう所が好きかとかは今まであまり考えてこなかった。それくらい、いたって当たり前にいつも聞いていた存在。
今捻り出すと、こだわりが強そうなところと、岸田さんと佐藤さんがしっかり活動をコントロールしてそうなところが好き。
中高の友達がくるり好きが多かったから、どうしたってその時の思い出に結びついちゃうし、これから先もそれは変わらないだろうな〜と思う。
もうさすがに若者的最高峰って感じでもないけど、これからもずっとバンド続けて欲しいな〜
11/12 追記
今注目を集めている最果タヒの本を読んで、くるりのことを思い出した
絶対的な評価、いいだとか悪いだとか、名盤だとかそういうものを理解できるようになるには、まず超個人的な経験が必要で、それは音楽の質だけではどうしたって作れない。自分の持っているもの、好きな食べ物、そういうものが歌詞にでてくることだったり、ミュージシャンが同い年でしかも同じ出身地だったり、文化祭で好きな子が弾いていた音楽がそれだった、というそれだけのことだったり、そういった音楽と関係もない部分、「現在」との共鳴がきっかけを作る。今生まれている作品には、今生まれたというその価値がある。
「過去にないもの」
2016年8月のこと その2
こちらの続き
本やマンガ
もともと村田沙耶香や志村貴子がコメントを寄せてたから気になっていたけど、友達が勧めてくれたこともあって読んだ。1巻終わるタイミングが絶妙すぎてずるい。
著者と村田沙耶香との対談も面白かった。
岩本ナオ作品の男子は、どうしたって好きにならないわけがないかっこよさを身にまとってる。ルックスじゃなくて内面の話。
あとは、この辺りのマンガを読みました。
本の感想はこちらに書いてあるのでよかったら。ちなみに今は「エドウィン・マルハウス」を読み進めるのに苦戦中です。
その他
羽海野チカの世界展に行ったり
DMM.PLANETSに行ったり
今まで遊んだことのない人と遊んだり、今まで行ったことのないお店で美味しいご飯を食べたり
あとは、お世話になっていたNPO関連で知り合った社会人の方が作った企画のお手伝いをしたり、といった所でしょうか。中高同じ部活だった子たちとフットサルしたりもした。とうとう結婚する子が出てきてしみじみしたり、かと思えば、そこからどうしようもないほどくだらない話をしたりした。
こうやって箇条書きにして羅列すると結構楽しかったなーって気分になることを改めて実感。
香港行って、普段接点があまりない院生や地方の学生と一緒に2週間過ごす中で、0から関係性を作っていくことが久しぶりだったからすごい面倒だなーって思うことが多くて、それと同時に、普段自分の身の回りにいる人達に、自分がどれほど気を使わずに接しているかを実感した。もう少しそのことに感謝しつつ、その関係性をより良くしていけるように努力しなくては、とも思った。
BBQや花火大会といったいかにも夏っぽいことはしてないけど、良い夏休み前半でした。
後半も楽しみ。とりあえずサウナデビューしたい。
2016年8月のこと
8月は、暇を満喫するということがテーマだったのでひたすらのんびりした。
そんな一ヶ月の備忘録
よく聴いた音楽
フジロックの行きや香港の空港で飛行機待っている間のBGMだった。GRAND MASTER MEMORIESの歌詞とか、「どうしてこの人たちは小学生のときの雰囲気をこんなに鮮明に思い出せるんだろう...?」みたいな気持ちが湧いてくる。
タワレコのインストアライブにも行ったけど、久し振りに聞いた「サマーゾンビー」もめちゃくちゃ良かった。
琥珀色の街、上海蟹の朝(初回限定盤・CD+Bonus CD)
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- 発売日: 2016/07/06
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アンテナの再現ライブのアンコールで初めて聴いたときは、ceroみたいだしあんまりピンとこなかったんだけど、先輩が昔「くるりの新曲ってすぐに良いかどうか判断できない」って言ってたことを思い出して、繰り返し聞いていたら馴染んできた。
ザ・なつやすみバンドの中川さんが参加している「ナイトランデブー」を帰り道に聞くといい夏過ごしている感に浸れた。
香港といえばこの歌みたいなところがあったから、ひたすら聞いてた。ちょっと前のNHKのミュージック・ポートレイトで満島ひかりが人生で大切な10曲の一つに選んでいたのいい話だった。
Major Lazer - Cold Water (feat. Justin Bieber & MØ) (Official Lyric Video)
ジャスティン・ビーバーの来日きっかけで聴き始めたけど、" I'll be your lifeline"って歌詞がエモい。14歳の女子ならビーバーに恋している、多分。
あとは、結局行かなかったけどサマソニ関連でRadioheadを久々に聞いた。あとはFrank Oceanと乃木坂46
この夏みた映画とか
ノンストップで「ストレンジャー・シングス」見終えた。キャリー、ET、スタンド・バイ・ミーとかの80年代映画の良いところを全部バランスよく合わせました、みたいな感じで面白かった。最近の映画だと「イット・フォローズ」、「10クローバーフィールド・レーン」とかを思い出した。
— m.n (@M_Tenenbaum) 2016年8月29日
これを書いている途中にシーズン2の製作が決まったみたいだけど、それも当然という出来。ウィノナ・ライダーは元カレのジョニー・デップがDVでイメージダウンしているのと対照的にキャリア急浮上 。
80年代のスピルバーグ映画って両親が好きだから幼少期に見た記憶あるけど、今もう一度見たら、どうなんだろうか?
「冬冬の夏休み」、夏休みの子供が主役の映画でこれ以上の作品に出会える気がしなくなるほどよかった…眩すぎる…
— m.n (@M_Tenenbaum) 2016年8月30日
エドワード・ヤンが出演してるか… https://t.co/Lsp91ADJjW
是枝監督の本を読んで、侯孝賢へのリスペクトが勝手に高まっていたんだけど(「幻の光」を見て、監督にベネチア国際映画祭に出すようにアドバイスしたりとか)、それを差し引いても素晴らしい作品だった。
どこにでもある夏休みの田舎の風景と交流を描いた作品って言ってしまうこともできるんだけど、全く退屈しない。それこそ、ザ・なつやすみバンドの「ハレルヤ」とかの世界
窓の外 街の呼吸 祈りたち
つかまえながら 走る線路沿い
早稲田松竹で見たんだけど、同じ回に好きな女優がいて、テンション上がった。(夏っぽくてよい)
「君の名は。」は、香港にいるときに小説の方を読んで、「あっ、これ苦手」と思ったし、代表作の「秒速5センチメートル」もわりと無理だったので、期待はあまりしないで行ったら、大満足だった。四ツ谷(須賀神社は家のそば)、代々木、新宿、赤坂などなど自分の生活圏内の風景がここまで描かれると、物語に入り込んじゃう。「転校生」、「時かけ」、「秒速5センチメートル」など色々な青春映画を想起させつつ、手際よく着地してて、上手いなとも思った。
このジブリ特集のキネ旬で南波克行氏がジブリ映画の魅力について語っていたときに
概念的には相反するリアルとファンタジーがアニメーションにおいては自然に共存できる。理想だけの人生もなければ、現実だけの人生もあり得ない。どんな人も、常にその二つを行きつ戻りつしながら、実人生を送っているはずだ。実写においては、どうしても二元論的になるこの二つの往復運動が、ここでは同一次元に並列が可能なのであり、だからアニメーションなんだという必然が明確になる
って書いてたことを思い出した。そうやって考えると「君の名は。」は小説ではなく、アニメでこそ表現されるべき作品って気がする。
「シン・ゴジラ」、「シング・ストリート」とかも見た。「シング・ストリート」は、ちょっと個人的には不満だった。「シン・ゴジラ」は市川実日子の人気がすごくて、「すいか」ファンとして嬉しい。あと、野外上映会デビューもした。上映中にどこまで気楽に喋っていいかの塩梅が難しい。
その2はこちらから
「羽海野チカの世界展 〜ハチミツとライオンと〜」に行ってきた
香港から帰ってきて、すぐに行った「羽海野チカの世界展 〜ハチミツとライオンと〜」がとってもよかった!西武池袋本店デビュー!
「ハチミツとクローバー」と「3月のライオン」の原画がたくさんあって、それを見るだけでも幸せな気持ちになったんだけど、個人的なハイライトは、途中に展示されていたネームの作り方の過程だった。
羽海野チカのネームの作り方に関しては、木皿泉「木皿食堂」での対談で本人が話していて以来、気になっていた。
羽海野:ブラッシュアップを何回も自分でやるんですよ。一稿二稿三稿って。で、そこで残す台詞と捨てる台詞を貼ったりはがしたりして、前に詰めるか、間に足すか?というのを何回もやっているときに、セロハンテープをケチってたんです(笑)。
自分は漫画の知識もないから、この部分を読んだときにいまひとつ情景が浮かんでこなかったのだけど、今回の展示会では、本当に前の原稿の紙を切って、セロハンテープで次の原稿に貼っていた様子がわかった。あまりにアナログなやり方で衝撃だった。これは本当に必見。
本人曰くこの過程は
ザラザラをすべすべにしていく
とのこと
そして、その衝撃のままグッズを購入
イラストセレクションは、ページを外して飾ることができると聞いて、「まぁなんて優れもの! 」って感じで即購入。しかも装丁が信頼の名久井直子さん!
後の思い出としては、グッズが販売されているエリアの近くに、羽海野チカ宛のメッセージノートが置いてあって、そこでメッセージを書いていた人が、もちろん内容は読み取れないけど、ノート1ページ分くらいの長文を書いていた。そのメッセージを書いている表情がなんともいえず良くて、「あぁ、本当にこの人も羽海野チカに励まされてきたんだろうな」って様子が伝わってきてグッときた。
自分も浪人時代に3月のライオンを何度も読んで、一生懸命頑張る気持ちになっていたことをぼんやり思い出した。
〜ここから後日談〜
そんなこんなで、思っていたよりは混んでいなかったのでじっくり見れてよかった〜と思いながら、帰り道に羽海野チカのお話のどんな所が好きなのか考えてみたけど、やっぱり、必死になって物語を誠実に描く所なんだろうなという結論になった。
twitterでのツイートを見てもとても繊細な人なんだろうなというのがビンビン伝わってくるし、普段喋っていることや考えていることと、本人が描く作品にまったくブレがなさそうな所が好き。
読み終わった人が元気をなくすようなものだけはイヤなので。みんな読み終わって「やっほーい」って言ってほしくて、「生きていても何もいいことがないよ」とだけは思ってほしくないんです。
これも「木皿食堂」で言ってた発言だけど、この願いを叶える難しさを痛感しながら、それでもなお叶えようと強く思っている方なんだと思う。
あと、この発言も好き
私、大事なことを何回も言ってくれるっていいなと思っていて。実を言うと、現実でも三回目ぐらいで「ああっ!」と思うので。
ちょっと前に読んだこのエントリにも通じる
もう10代でもないのだから、いい加減、自分の周りにいてくれる人たちの素敵だなと思う部分をたくさん見つけて、本人に伝えていきたいな思う今日この頃。