松田青子「読めよ、さらば憂いなし」を読んで、読みたい本が急増した
秋の夜長だし本でも読もうかなー、でもどの本を読もうか迷うなー
そんな方にお勧めしたい本が松田青子の「読めよ、さらば憂いなし」。
理由は、この本自体も面白いし、この本で紹介されているたくさんの本に興味が湧くからである。
著者の松田青子について簡単に説明すると、2013年に「スタッキング可能」でデビューしたばかりの作家だが、3作目のこの新刊も東京の丸善で、よしもとばななや小川洋子といった著名な作家と並んで目立つ場所に面出しされていたことから彼女の注目度が伝わるはず。ちなみにデビュー前は劇団ヨーロッパ企画の役者だったことをつい最近知った。
今までの2作も面白いのでぜひ。自分は、山内マリコ・藤野可織・柚木麻子といった作家と同様に、山崎まどかさんのtwitterきっかけで彼女の作品を手に取ったが、「スタッキング可能」を初めて読んだ時に、「本ってこういう面白さもあるのか!」と衝撃を受けた。
新刊は、彼女がこれまでCREAや女性自身などの雑誌に書いていたエッセイを集めたものだが、海外文学にまつわる作品が多いかなと思っていた予想をいい意味で裏切り、日本文学や映画、漫画の話も多くて大満足だった。丁寧、かつ真摯な思いが込められた文章ばかり。
特に印象的だったエッセイは、木皿泉「すいか」、市川春子「虫と歌」、「パレードへようこそ」について書かれたもの。
「すいか」はちょっとずつ更新されていく世界の喜びを描く。世界はがちがちに出来上がっているのではなく、どこかにちゃんと隙間や抜け道、あなたがまだ知らない何かがあると、世界の可能性を見せてくれる
あと、ドラマ「SHERLOCK」に寄せた文章も最高だった
以下、読みたくなった作品メモ
次のエッセイ「ロマンティックあげない」も感想を書いたので、よかったらぜひ読んでみてください