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日々の一部始終

ままごとやロロなどを見た今年の演劇鑑賞

留学から帰って以来、それまでなかなか行くことのなかった演劇を見にいく機会が増えた。

理由は2つあって、1つ目は留学中に平田オリザの「幕が上がる」を読んで、一つの舞台が作られる過程ってこんなに見所満載なのか、演出家ってこんな役割なのか!と色々驚いたから。2つ目は、ずっっっと見たかったある演劇をやっと見れて、それが人生ベスト級に素晴らしかったから。

 

幕が上がる (講談社文庫)

幕が上がる (講談社文庫)

 

映画はイマイチだったけど、小説は超オススメ。感想はこちら

 

そんなこんなで今年は4つの演劇を見たので、見た順に感想をまとめておく。

当たり前だけど、ライブハウスのライブと違って、座ってるから疲れずに集中して見ることが出来るし、映画と違って「今、目の前でセカイが立ち上がっている」感じがすごいから迫力があるなーと思った。

 

1. ままごと「わが星」

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さっき書いた「ずっっっと見たかったある演劇」とはこれのこと。2010年の岸田國士戯曲賞受賞作で今回は再々演。

大好きな口ロロの三浦康嗣が音楽を担当してたことに加えて、2011年の再演時には、twitterで様々なクラスタの方々が絶賛していたのをみて、とても見に行きたかったんだけど、当時浪人生だった自分は結局行けず、次に再演される時は、絶対行くぞと思ってたら早4年近く経ってしまっていた。そんな積年の思いも詰まっていたことも相まって、あまりの素晴らしさで号泣してしまった。鑑賞以降、色々なことで「あ、これはわが星っぽい」と度々思い出して、思いを馳せているくらい、自分の価値観の軸になっている。

 

話の内容はこちら

地球の誕生から消滅までをめぐる物語が、団地にくらす少女の日常にかさなりあう、現代口語ブレイクビーツ・ミュージカル

これだと何言っているか全然わからないと思われる方もいるかもしれないが、見た後ではそういう話として自然と納得できてしまう。とりあえず、オープニングの音源だけでも聞いてみてほしい。



2. サンプル「離陸」

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サンプルは2011年に岸田國士戯曲賞を受賞している松井周が率いる劇団。日本で注目すべき演出家の一人として、ニューヨークタイムズに取り上げられたこともあるらしい。名前も聞いたことあったし、早稲田のどらま館が会場だったから観に行ったけど、なかなか難解だった...でもゾクゾクした。

 

3. ヨーロッパ企画「遊星ブンボーグの接近」

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ヨーロッパ企画は、作品によっては映画化もされている人気劇団。映画「バクマン。」の名シーンとして話題の、ジャンプ編集部の会議シーンで編集の面々を演じている役者が多数所属している。主催の上田誠は、テレビの脚本やあの四畳半神話大系の脚本も担当している。あのループしていく話作りは新鮮だった。南海キャンディーズのやまちゃんもラジオでその才能を褒めていた。

今回の作品は、小人の宇宙人が、人間の部屋の文房具を見学しに訪れる話。2時間終始くだらないギャグが織り込まれていてずっと笑っていた。マスキングテープとセロハンテープの違いにこだわったたりする細部の豊かさ。でも実は、スクリーンを使って小人視点と人間視点を自然に両立していたり、大掛かりな舞台ならではの演出もあった。

 

4. ロロ「いつだって窓際でわたしたち」

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ロロは愛読しているブログ「青春ゾンビ」さんなどで取り上げられることが多くて、ずっと気になっていたけど、今回上に貼ってある西村ツチカのイラストが素敵だったのでようやく鑑賞。高校演劇のフォーマットに則ったスタイルで、一から舞台を作っていく模様が見れて楽しかった。

昼休みの教室の窓際という限定的な場所が舞台なのに、そこから眼差し・匂い・ネットを駆使して、色々な場所へ物語が広がっていく模様がすごかった。あと、「青春」って何なんだろう?ってことを改めて考えた。あと、次の舞台になっているこの夜の話「校舎、ナイトクルージング」も絶対面白そう!

 

今年見たのはこの4つ。

まだまだ「マームとジプシー」、「ハイバイ」、「五反田団」、「チェルフィッシュ」、「快快」など名前を聞いたことある劇団だけでもたくさんあるから、来年も機会があれば少しでも多く見に行きたい。あと、できればお勧めを教えてほしい。