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Reach For Tomorrow

2017年卒予定の大学生です。日々感じたことを記しておくブログです。

「サーチ・インサイド・ユアセルフ」と村上春樹が語る「痛みと苦しみ」

 「How Google Works」を読んでから、Googleの、科学的な知見を日々の働き方に落とし込む姿勢に関心を持っていたところにまた新たな本が発売されたので、早速読んでみた。

サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法

サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法

  • 作者: チャディー・メン・タン,ダニエル・ゴールマン(序文),一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート,柴田裕之
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2016/05/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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若干乱暴に本の話をまとめると、心の整え方を教えつつ、心が整うと、生活がどのように変化するのか?について語っている。

つい最近までこの手の話には全く興味がなかったのだけど、近頃はこの手の本にも手を伸ばすようになった。

理由としては2つほどあって、1つ目は、もうすぐ社会人になるし、お金や地位に振り回されることなく、鬱にならずに一生懸命仕事をしながら、幸せに生活していくためにはどうしたらいいのだろうか?みたいな抽象的なことを考えるようになったこと。

2つ目は、元々あまり自分に自信を持てないタイプの性格で、それが故にあまりうまくいかないこととかもあって、これからその性格にどう折り合いをつけていったらいいのか、みたいなことを考えるようになったこと。

ただ、どちらにしてもなるべく科学的な裏付けが取れている知識を学びたいという思いは持っている。

 

本の中身の話に戻すと、様々な示唆があった。その中でも、まずは「痛みと苦しみ」についての話が印象に残った。

途中、こんな話が出てくる

瞑想からは、人生を変える重要な悟りがいくつも得られる。なかでもとくに重要なのが、痛みと苦しみは質的に別個のもので、痛みはかならずしも苦しみに結びつかないという悟りだ。そして、この悟りのもとは、執着を捨てる練習にたどれる。

 

肉体的な痛みがあり、それとは別に嫌悪の経験がある。未熟な心はこのふたつを、ひとつの分かち難い経験にまとめてしまうが、鍛えられた心はふたつの別個の経験を見分け、一方がもう一方をもたらしていることを悟る。

 

だいぶスピリチュアルっぽい話なので、普段なら「何言ってるかよくわからないわー」って読み飛ばしてしまいがちなんだけど、今回は違った。なぜなら、その前に読んだ村上春樹の「走ることについて語るときに僕の語ること」に偶然同じような話が出ていたから。

 

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

 

 

Pain is inevitable. Suffering is optional.

それが彼のマントラだった。正確なニュアンスは日本語に訳しにくいのだが、あえてごく簡単に訳せば、「痛みは避けがたいが、苦しみはオプショナル(こちら次第)」ということになる。たとえば走っていて「ああ、きつい、もう駄目だ」と思ったとして、「きつい」というのは避けようのない事実だが、「もう駄目」かどうかはあくまで本人の裁量に委ねられていることである。

この言葉は、マラソンという競技のいちばん大事な部分を簡潔に要約していると思う。

 

この本では、走ることを媒介にして、自分の小説家としての生き方やこだわりを振り返る。村上春樹作品では孤独なキャラクターが出てくることが多いが、彼自身は孤独をどう捉えて、それとどう向き合っているかなどについて改めて知ることができるのだが、「サーチ・インサイド・ユアセルフ」と同じ話がたまたま出てきてびっくりした。

 

正直言って、自分はまだまだ「痛み」と「苦しみ」の違いが分かっているとはとても思えない。ただ。こういった考え方があるといったことは頭の片隅においておきたいなーと思った。