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日々の一部始終

タマフルの「海外翻訳小説の身もフタもない楽しみ方を学ぶ」特集が面白かった話

1ヶ月前ほどのタマフルの「海外翻訳小説特集」がとても面白かったので、最近はちょっと意識的に海外文学作品を読むようにしている。ちなみに、それまでは1年に5冊くらい読むペースだったのだが、ここ1ヶ月で4冊ほど読んでいる。

www.tbsradio.jp

もうすぐポッドキャストの期限が切れてしまうので、今のうちに聴いてみてもらいたい。

 

その特集が面白いと感じた点が2点あった。2の方が個人的には重要。

1. 敷居が低かった

特集のゲストは、個人的には「東京マッハ」でお馴染みの米光一成さん。東京マッハとは何?って方はこちらのエントリを読んでいただければ。

m-tenenbaum.hatenablog.com

最近まで翻訳小説を読みきる力がなかったという米光さんが、読むための細かすぎるずるいワザ(付箋を貼るは即採用)や、思わず共感できる翻訳小説を読むときの障害などを語ってくれるので、作家や愛好家が語るよりも敷居がとても低かった。

 

2. 海外文学を読む醍醐味を再認識した

翻訳小説を読むことのメリットで挙げられていたのが、「平和になる!」。

「大きく出たな〜」と内心思っていたが、そこからのうたさんとの会話はパンチラインだらけだった。

簡単に要約&抜粋すると

・翻訳は決して日本語から外国語に置き換えるということだけを指すのではない。そもそも、言葉を発するという行為は、自分の気持ちや考えを翻訳するいうことと同義である。だから、自分のモヤモヤした思いをうまく言語化できない人は、人間関係がうまくいくはずない。

 

・海外文学を読んでいるときに、スルスル読めずに違和感を覚えるというのは、異文化に接したときに覚える違和感と一緒で、そこに気付き、汲み取ろうとすることにこそ、楽しさがある。日本人が日本人に向けたエンターティメントだけに触れていると、そこに気付きにくいのでは?

 

・相手が何をどういう風に言おうとしているのかを汲み取ろうとする訓練をするためには他者が絶対に必要

 

・わからないものに意識を向ける方が楽しいって感覚は分かる

 

自分がブログを書こうと思った理由の一つに、自分が感じていることをきちんと言葉にできるようにしたいという思いがあったことを思い出させてくれるような内容だった。

 

あとは、こういった記事やツイートなどを思い出した。

cakes.mu

いちばん大切なのは、ある作品を「おもしろい」と感じるとき、それがどれくらいおもしろいのか正確に理解する力じゃないでしょうか。100のおもしろいと、60のおもしろいを同列に扱っている人が多い気がします。

 

 

ちなみに、海外文学と一口にいっても色々あるけど、短編小説なら比較的こんがらがることなく読める気がするし、新潮クレストブックから出ている本は基本的に面白い。

面白い短編といえばこれとか

ピギースニードを救う話 (新潮文庫)

ピギースニードを救う話 (新潮文庫)

 

 

特集で言及されてたこれらの本は無類に面白い

ストーナー

ストーナー

 

 

HHhH (プラハ、1942年) (海外文学セレクション)

HHhH (プラハ、1942年) (海外文学セレクション)

 

 ここ最近読んだ本はこんな感じ

 

陽気なお葬式 (新潮クレスト・ブックス)

陽気なお葬式 (新潮クレスト・ブックス)

 

 

レモン畑の吸血鬼

レモン畑の吸血鬼

 

 

歩道橋の魔術師 (エクス・リブリス)

歩道橋の魔術師 (エクス・リブリス)

 

 

夜、僕らは輪になって歩く (新潮クレスト・ブックス)

夜、僕らは輪になって歩く (新潮クレスト・ブックス)

 

 

これから読もうと思っている本はこれら

 

エドウィン・マルハウス (河出文庫)

エドウィン・マルハウス (河出文庫)

 

 

あの素晴らしき七年 (新潮クレスト・ブックス)

あの素晴らしき七年 (新潮クレスト・ブックス)

 

 

ムシェ 小さな英雄の物語 (エクス・リブリス)

ムシェ 小さな英雄の物語 (エクス・リブリス)