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「羽海野チカの世界展 〜ハチミツとライオンと〜」に行ってきた

香港から帰ってきて、すぐに行った「羽海野チカの世界展 〜ハチミツとライオンと〜」がとってもよかった!西武池袋本店デビュー!

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「ハチミツとクローバー」と「3月のライオン」の原画がたくさんあって、それを見るだけでも幸せな気持ちになったんだけど、個人的なハイライトは、途中に展示されていたネームの作り方の過程だった。

 

羽海野チカのネームの作り方に関しては、木皿泉「木皿食堂」での対談で本人が話していて以来、気になっていた。

木皿食堂 (双葉文庫)

木皿食堂 (双葉文庫)

 

 

羽海野:ブラッシュアップを何回も自分でやるんですよ。一稿二稿三稿って。で、そこで残す台詞と捨てる台詞を貼ったりはがしたりして、前に詰めるか、間に足すか?というのを何回もやっているときに、セロハンテープをケチってたんです(笑)。

 

自分は漫画の知識もないから、この部分を読んだときにいまひとつ情景が浮かんでこなかったのだけど、今回の展示会では、本当に前の原稿の紙を切って、セロハンテープで次の原稿に貼っていた様子がわかった。あまりにアナログなやり方で衝撃だった。これは本当に必見。

本人曰くこの過程は

ザラザラをすべすべにしていく

とのこと

 

そして、その衝撃のままグッズを購入 

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イラストセレクションは、ページを外して飾ることができると聞いて、「まぁなんて優れもの! 」って感じで即購入。しかも装丁が信頼の名久井直子さん!

 

後の思い出としては、グッズが販売されているエリアの近くに、羽海野チカ宛のメッセージノートが置いてあって、そこでメッセージを書いていた人が、もちろん内容は読み取れないけど、ノート1ページ分くらいの長文を書いていた。そのメッセージを書いている表情がなんともいえず良くて、「あぁ、本当にこの人も羽海野チカに励まされてきたんだろうな」って様子が伝わってきてグッときた。 

 

自分も浪人時代に3月のライオンを何度も読んで、一生懸命頑張る気持ちになっていたことをぼんやり思い出した。

 

 

〜ここから後日談〜

 

そんなこんなで、思っていたよりは混んでいなかったのでじっくり見れてよかった〜と思いながら、帰り道に羽海野チカのお話のどんな所が好きなのか考えてみたけど、やっぱり、必死になって物語を誠実に描く所なんだろうなという結論になった。

twitterでのツイートを見てもとても繊細な人なんだろうなというのがビンビン伝わってくるし、普段喋っていることや考えていることと、本人が描く作品にまったくブレがなさそうな所が好き。

 

読み終わった人が元気をなくすようなものだけはイヤなので。みんな読み終わって「やっほーい」って言ってほしくて、「生きていても何もいいことがないよ」とだけは思ってほしくないんです。

これも「木皿食堂」で言ってた発言だけど、この願いを叶える難しさを痛感しながら、それでもなお叶えようと強く思っている方なんだと思う。

 

あと、この発言も好き

私、大事なことを何回も言ってくれるっていいなと思っていて。実を言うと、現実でも三回目ぐらいで「ああっ!」と思うので。

ちょっと前に読んだこのエントリにも通じる

hase0831.hatenablog.jp

 

もう10代でもないのだから、いい加減、自分の周りにいてくれる人たちの素敵だなと思う部分をたくさん見つけて、本人に伝えていきたいな思う今日この頃。