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デジタルマーケティングについて「BCGが読む 経営の論点2018」からまとめてみた

年末年始は時間があり、下記の本から、自分の仕事と関係のあるデジタルマーケティングについて書かれていた部分を読んだので、簡単にまとめてみた。

 

BCGが読む 経営の論点2018

BCGが読む 経営の論点2018

  • 作者: ボストンコンサルティンググループ
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2017/11/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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 1. 現状のデジタルマーケティング

 まず、現状では、デジタルマーケティングを導入していると言っても、マス向けマーケティングの延長線上の発想に留まっている企業が多いと指摘している。

具体的には、YouTubeに広告を出した、Facebookにブランドページを作成した、などが挙げられる。確かにこれらは広告枠がデジタルになっただけで、デジタルだからこそできるマーケティングだとは言い難い。

 2. 理想のデジタルマーケティング

 それでは、「デジタルだからこそできるマーケティングとは何か?」と考えた時に、ここでは、デジタルの持つ技術やデータを用いて、多様なユーザーのそれぞれの購買・消費行動(カスタマージャーニー)を掴み、彼らの行動が変わる「モーメント」を発見して、そこのツボをしっかり突くことが、まさにデジタルだからこそできるマーケティングだと語られている。

 また、これがまさしく「ユーザーを中心に据えたマーケティング」と同義だと主張している点も非常に重要であると感じた。

 3. 理想に向けて必要なアクション

 では、そういったデジタルだからこそできるマーケティングを進めるために必要とされていることが2点挙げられている。

  (1) ユーザーの行動の「見える化」

 これは、ユーザーの情報を多面的に獲得して、一連の行動としてつなぐことが、精度の高いレコメンデーションを実現するからである。

  (2) 「ユーザーを中心とした組織」を実現していくための構造改革

 これは、往々にしておきるマスマーケティングとIT部門との間にある組織的な壁を打破しない限り、デジタルだからこそできるマーケティングは実現が難しいからである。

 4. 今後の流れ 

 (1) ユーザーデータの異業種連携・活用による新たなモデルの構築

 従来の隣接領域だけではなく、異業種プレイヤーが保有するデータを持ち寄り、連動することで、これまでとは違う角度からユーザーの生活に迫ることができ、まさに前述したユーザーの行動の「見える化」につなげることが出来る。

 (2) AIを活用したパーソナライゼーション

 これまではモバイルがユーザーの情報をインプットして、また、それをアウトプットするデバイスとして支配的な地位を集めていた。しかし、最近では、情報をインプットするデバイスにはスピーカー、アウトプットする方法にはOOH広告などが出てきた。そういったデバイスの多様化をつなぐ存在として重要になってくるのがAIであり、これからはAIを用いて、各々のユーザーにあった最適な情報を提供していくことを目指す。(これはまさににGoogleが掲げるAIファーストを指すと思う)

 

 5. 読んで思ったこと

普段自分が仕事で取り組んでいる部分は、ここで語られるような大きな枠組みの話ではなく、どうしても枝葉の話になりがちである。ただ、やり取りする相手が役職がある方だったりする場合は、こういった文脈からデジタルマーケティングの話を進めていかないと、予算を獲得するのは難しいということを最近実感するので、読んで勉強になりました。