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日々の一部始終

森岡毅 「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」で語られている日本のマーケティングの課題

社会人になってもう一度この本を読んでみたら、学生の時に読んだ時より、具体的にイメージがつきやすくてとても勉強になった。

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方  成功を引き寄せるマーケティング入門

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門

 

特にここの部分は私がリアルに直面しかかっている課題だった。

 TVCMを使用している多くの企業のうち、どれだけが自社のTVCMの効果をきっちり測定分析できているでしょうか?広告代理店から年に一回届けられる「メディア・レビュー」と題された彼らにとって都合の良いデータ話をしているのではありません。私が言っているのは、自社内で効果を判断できる能力の話です。

 敢えて申し上げましょう。大多数の日本企業ではTVCMの効果測定ができていません。効果測定を自社内でちゃんとやる能力すらありません。だから広告代理店やTV局にとって、いつまでも最高に素晴らしいお客様なのです。

(中略)

 なぜでしょうか?答えは明確です。これらの会社にちゃんとしたマーケティングの機能がないからです。

 USJがやったように、マーケティングができるスタッフをある程度の人数揃えて、そのマーケティングが機能する組織構造と社内のシステムを作れば、より効率的な広告予算の執行を実現できるようになります。まず違ってくるのはTVCMの質です。本当に顧客に買いたいと思わせるTVCMを広告代理店に作らせることができるようになります。

 ここで書かれているマーケティングが機能する組織体制については、前回まとめを書いたこの本でも言及されていた。ここでは、TVCMというよりデジタルマーケティングという文脈で語られてはいるが、決して異なるものではないと思う。

m-tenenbaum.hatenablog.com

ここでは社内に持つべき機能として、下記の5点が挙げられている。 

①顧客を見える化し、行動変容につながる打ち手を考える機能

②デジタルに落とし込み、どのようなキャンペーンを実施すべきかを企画する機能

③結果を中間指標も含めてどのように評価し、改善していくべきかを考える機能

④社内データを把握し、分析できる機能

⑤アドテク・ベンダーの評価活用、プロセスを考える機能

USJの本で指摘されている日系企業の課題は⑤以外の全てと考えても問題はないのかなと思う。

これから先、日系企業のマーケティング部署とやり取りする上で、こういった課題は少なからず抱えているのではないかということを念頭に入れてお話をしていければ良いなと思う。