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日々の一部始終

就活中間報告その3 「グローバルに働く」とは?を考える

このエントリを書こうと思ったきっかけはこの記事を読んだことから

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大学時代に留学もしていたし、NGOの活動でアジアに行くこともあったので、就活当初は、漠然と海外でも働きたいな〜という想いがあり、この記事にあげられている「グローバル」を推すメーカーに関心を持った。そして実際、これらの企業の説明会や春のインターンに参加した。インターンの通過率もこういう系の企業は結構良かったから、自分が学生時代経験したこと、そこで感じたこととの相性は良いのかもしれない。

ただ一方で、「ん、ちょっと思っていた所と違うな」みたいな違和感もあったので、それを書き残しておきたい。(もちろん、良かった点もあったのでそこも書いておくと、穏やかで誠実で地に足着いた人がとっても多かったです!)

 

結論から言うと、僕は上記のような企業がグローバルを標榜するのにもかかわらず、「働く仲間は海外に行っても結局日本人」ということに違和感を抱いた。下の表を見てもらいたい。 

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上記のようなメーカーは個人的には③に位置すると思う。働く場所は海外であっても、一緒に働く人は日本人。取引先や工場の従業員には外国人の方が出てくるかもしれないけれども、そういった人と関わる頻度は人それぞれだと思う。

これは留学と近いものがあると思う。

留学でも日本人同士で固まってしまい、外国の学生との接点といえば、日本に興味があって、向こうから歩み寄ってくる学生に限られてしまうといった指摘がある。自分もそうだったし、留学してる人のfbの写真とかみても、そんな感じなんだろうなーと思う人はいる。逆にガンガン自分から行動してる人は尊敬してる。

(ちなみに他の国の学生も、同じ国の人達で固まることは見られたから、そんなに鬼の首を取ったように言うこともないと思うけど。)

 

話を戻すと、実際に説明会で企業の課題について聞かれた際に、海外において、現地の人材がマネジメントまで関わることができていないことや、日本からやってきた上層部の方々がなかなか現地の従業員と接点を持たないことを課題に挙げていた企業もあった。

あと、仕事内容に関しても、海外拠点ですでにある程度売上を立てている企業だったらルーティンワークが多くてハードではなさそうな印象だった。これはあくまでインターンで参加した企業の社員の方からのヒアリングによるけど。修羅場をくぐり抜けないといけない場面は思ったより少ない気がした。

これはメーカーに限った話で、例えば総合商社なら違ったりもするかもしれないけど、僕はそのあたりにあんまりワクワクできなかった。これは留学を経て、海外で暮らすことへの幻想みたいなものがかなりなくなったことが大きいと思う。

 

一方で、上の表でいうところの②にあたる部分の人と話す機会も就活中に何回かあった。具体的に言うと、外資系企業の人事をやっていて、上司が本国にいるからテレカンでコミュニケーション取ってるとかそういった感じの人。僕は正直そういった人達からの話を聞いてる方がワクワクした。理由としては、多国籍企業の実態(ダイバーシティって言われるようなものもここに入るのかも)が未知数すぎたから、聞ける話の一つ一つが新鮮だったことにあると思う。

どうやったら様々な国籍の人々が同じように働けるのか?

どんな風な意思決定をしてるのか?

どうしたら世界中隈なく製品やサービスを届けられるのか?

実感がなかなか湧かない。だからこそ、ワクワクするのかも。

 

だらだら書いてみたけど、一口にグローバルで働くと言っても、自分がいいなと思う働き方は違ったりするので、「外資は所詮日本支社だから〜」とか「海外駐在は視野を広げてくれる〜」とかよくある言い回しに騙されないようにしたい

 

m-tenenbaum.hatenablog.com

 

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オードリー若林とピクサー、どちらも自信を持つ上で大切にする「プロセス」

最近読んだ本の中で、接点が本来はないはずの2冊の本なのに、たまたま似た話が連続したのでメモしておこうと思う。

何が似ているのかというと、どちらの本も「結果」ではなく「プロセス」を重視するべきだということを伝えている点が似ている。

 

まず、その2冊の本というのがこちら

完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫)

完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫)

 

 

ピクサー流 創造するちから―小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法

ピクサー流 創造するちから―小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法

  • 作者: エド・キャットムル著,エイミー・ワラス著,石原薫訳
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2014/10/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログ (10件) を見る
 

 

上のオードリー若林の本は、オードリーがブレイク後、それまで接点のなかった社会の様々な価値観とどう折り合いをつけていくかの一部始終が記されたエッセイ。

下のピクサーの本は、ピクサーの共同創設者が「トイ・ストーリー」以降、どのようにして質の高いヒット作を連発し続けられたかの秘訣を経営目線で主に記された本。(「トイ・ストーリー」が作られるまでの話も面白い)

 

若林の本では、世の中に蔓延している「結果」至上主義に異を唱え、「自己ベストを更新していこうとするプロセス(過程)」が自信をもたらし、それが彼が今まで上手く馴染めなかった社会と繋がる手段になったということが最後に書かれている。

特にすごい訳じゃなく、特にダメじゃない。そんな自分の自己ベストを更新し続けていれば、「結果」があとからやってこよううがこなかろうがいいじゃないか。特別な才能がないから自己ベストを更新し続けるしかないという諦めは、僕にとって自信となった

 

 

ピクサーの本では、創業当初のピクサーのクリエイティブの2つの特徴に「物語が一番偉い」・「プロセスを信じよ」があったと書かれている。「プロセスを信じよ」というのは、困難や失敗がつきもののクリエイティブな作業においても、「プロセス」に従えば切り抜けられるという信条が表現されたフレーズとのこと。

しかし、「トイ・ストーリー2」制作の際、このフレーズが機能せず、現場が大混乱してしまった。(どのくらい混乱したかというと、映画完成時に1/3のスタッフが何らかの反復性ストレス障害を発症していたほど...)

この時の反省を踏まえて、プロセスは単なる枠組みだから頼りすぎず、責任と自覚を持って仕事に取り組むことが大事と警鐘を鳴らした上で、このフレーズについてこう語っている

プロセスを信じれば、いや正確に言えば、プロセスを使用する人を信じれば、楽観的にもなれるが現実的にもなれる。そう信じられるのは失敗によって判断されるのではなく、限界に挑戦し続ける自分を認めてくれるという安心感があるからだ

ピクサーの方はチームで作業に取り組む上でのプロセスの重要性だが、若林の本と通ずる部分はあると思う。

 

自分も自信がなさそうと言われることが以前は多かった(よくよく考えると就活中にはあんまり言われることがない。多分話すことがある程度準備できているからかも)ので、過程に重点をおくということを意識してベストを尽くしたい。

 

 

楠木建 「好きなようにしてくださいーーーたった一つの仕事の原則」

最近就活中なので、どうしてもビジネスよりの本を読む機会が多い。この前は個人的には「ストーリーとしての競争戦略」でおなじみの楠木建の本を読んだ。

好きなようにしてください―――たった一つの「仕事」の原則

好きなようにしてください―――たった一つの「仕事」の原則

 

 きっかけはこのブログから。

outward-matrix.hatenablog.com

内容は、newspicksで著者が持っているお悩み相談のコーナーの連載を本にしたものだそう。

最初はなんだかんだ他人事のように読んでいたのだけど、途中で思わず手が止まった箇所があった。それは、比較が容易な具体的なスペック(年収、職種など)に基づいたキャリア選択を行っている学生に対する問題提起の箇所にあった。

ほとんどの人が年収の高い仕事に惹かれます。そりゃまぁ、給料は高いに越したことはない。しかしそれ以上に、「なぜより多くの給料が欲しいのか」、裏側にある自分のツボを知る方がもっと大切です。それはすなわち、「自分と自分の生活にとって本当のところ『お金』はどういう意味を持っているのか」に対する答えを出すということです。

(中略)

価値観に根ざした仕事への構えができていないと、それが具体的で客観的なスペックなだけに、安易に目先の給料が高いほうに流れ、結果的に肝心の好き嫌いが台無しになるおそれがあります。

 

これは、今まさに自分の中で明確な答えが出せなくて困っていた問題だったからむむむとなった。

ついこの間、友人と話している際に「お金何に使いたい?」みたいな話題になり、「まず旅行かな、あとは、ちょっとおしゃれな服とご飯(あとは本とか漫画を躊躇せずに買う)。タワマンや高級車とかにお金を使う神経がマジで理解できない、ダサい」と答えたら、「社会人になったら時間ないからそんなに旅行できないじゃん。あと、お酒も飲まないじゃん。そうしたら、そんなにお金稼ぐ意味ないじゃん?」と返され、正直、仕事を選ぶ際の優先順位として給料の優先順位はそこそこ高く設定しているのに、これマズイなと思った。まぁ、長期的には家族ができて...みたいな話もあるかもしれないけど、現状なかなかに非現実的。

 

著者はそんな人たちに向けて、このようなアドバイスをしている

あなたにおすすめしたいのは、この際じっくりと腰を据えて、「具体と抽象の往復運動」を脳内でしつこくやってみることです。これこそが、職業の選択のみならず、あらゆる仕事にとって決定的に重要な能力だというのが僕の見解です。

これは僕も似たようなアドバイスを受けたことがあったが、アドバイスの意味を真には理解していなかったから、お金の部分まで応用できていなかった。反省

ちなみに受けたアドバイスは、 

  1. 色々な経験をする
  2. その経験からワクワクしたこと(嫌いだったこと)を抽出する
  3. 2で抽出した要素が当てはまる未経験のことはないかを探す

 

ダメな例:映画館のバイトをしていた→映画業界を目指す

ましな例:映画館のバイトをしていた→たくさんのスタッフと協力してお客さんをもてなすのが好き→ホテル業界も受けよう

 

みたいな感じ。

 

 

 

 

「火星の人」「オデッセイ」

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原作の「火星の人」読んで準備万端で気合い入ってたこと、シネマイレージカードのポイント貯まっていたこともあってIMAX3Dで「オデッセイ」を鑑賞した。

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

 
火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)

火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)

 

原作のロジカルに課題に(チームで)取り組む姿勢、前向きな努力、ユーモアのバランスが絶妙で好きだったんだけど、それがそのまま映画にも引き継がれていて良かった。

鑑賞直前に、暗そうな雰囲気の「シビルウォー」「バットマンvsスーパーマン」の予告編を見たことが影響しているかもしれないけど、このくらいの明るさが今の自分には合っていると感じた。

 

本と映画を比較してみると、本を読んでいるときは、「MAVってなんだよ、パスファインダーってどんなものだよ、何か突然爆発してるけどどういうこと?」みたいな疑問が次々浮かびながら読み進めていたので、映像によって初めてどんな状況になっているかがクリアになったシーンもたくさんあり、その点がまず良かった。

映画を見て、トントンと進んで行くことに不満を覚える人がいることもわからないではないけど、そういう人は本読むと印象が変わるかも。本だと結構大変だった場面も、映画だとサクサク乗り越えているから。

一方で、映画には、本にはあったワトニーからそれぞれのクルーへのメッセージがなかったのが少しだけ残念

しかし、われわれはもっと重要なことを話し合わなくてはなりません。

ーあなたがディスコって、どういうことですか?70年代のテレビ番組は理解できます。だれだって、でかい襟の毛深い人種が好きですからね。

しかし、ディスコ?

なにゆえディスコ?!

上が原作で一番笑ったくだりなんだけど、それがそのクルーへのメッセージの所で出てきたから映画には登場せず。

 

キャストの話をすると、マッド・デイモンは生来の賢さ(ハーバード出身!)とボンクラさが両立しているし、大好きなジェシカ・チャスティンも頼りになるリーダー演じてて素敵だし、マイケル・ペーニャ、ケイト・マーラがいるチームは宇宙にいても楽しそうなので、自分も仲間に入れて欲しいと思える。

ヒューストンにいるNASAのメンバーもクリステン・ウィグやキウェテル・イジョフォーがいて豪華。タマフルでも言われていたけど、指輪物語のエルロンド会議のジョークの所にボロミアを演じていたショーン・ビーンがいたことも面白かった。

 

最近気づいたのだけど、才能ある人がその才能に頼りっぱなしになるのではなく、一生懸命努力する話が自分の中で好きみたい。

それは多分「3月のライオン」の影響が大きい気もする。あと「ピンポン」のペコだ

「How Google Works 私たちの働き方とマネジメント」

Googleがどのように人材を集めて、ビジネスを拡大していったか。また、その中でどんな課題に直面して、それをどのように解決していったか?あるいは、働く中で大事にしている価値観は何か?などについて当事者の立場から書かれた本

How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス)  ―私たちの働き方とマネジメント

How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス) ―私たちの働き方とマネジメント

  • 作者: エリック・シュミット,ジョナサン・ローゼンバーグ,アラン・イーグル,ラリー・ペイジ,土方奈美
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2014/10/09
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログ (16件) を見る
 

money.cnn.com

上のリンクでも、新卒で一番働きたい会社ランキング(主要12カ国の学生対象)で1位に選ばれているGoogle。よく働きやすくてユニークな職場みたいな形で取り上げられることも多い印象。

しかし、Googleで働いている人が自分の周りにはいないので、実態がよくわからなくて気になっていたので手にとって読んでみた。(ちなみにこのランキングで2〜5位がマッキンゼーやP&Gではなく、会計系のコンサルティングファームBig4だったことが意外だったのだが、その理由はこの方のブログを読んでもらえるとわかりやすい)

globalbiz.hatenablog.com

 

どのように働くかを考える上で参考にしたい部分を抜粋する。

「邪悪になるな(Don't be evil)」って理念のかっこ良さはまたの機会に書きたい。

1. 「しなやかなマインドセット」

しなやかマインドセットの持ち主は、努力すれば自分の持ち味とする能力を変えたり、新たな能力を開花させることができると考える。人は変われる。適応できる。むしろ変化を強いられると、心地よく感じ、より高い成果をあげられる。

ドゥエックは実験によって、マインドセットを変えることで、まったく新しい思考や行動が引き起こされることを明らかにした。

自分の能力は変わらないと考えていると、その自己イメージを維持するために「到達目標」を設定する。一方、しなやかマインドセットの持ち主は「学習目標」を設定する。

学ぶこと自体が目標になると、くだらない質問をしたり、答えを間違えたりしたら自分がバカに見えるのではないかなどと悩んだりせず、リスクをとるようになる。ラーニング・アニマルが目先の失敗にこだわらないのは、長い目でみればそのほうが多くを学び、さらなる高みに上れることを知っているからだ。

「変化を望まないことがリスク」というのは、よく言われている気がするし、自分もわりと同じことを続けることが得意ではない。

d.hatena.ne.jp

ただ、自分の課題は、何のために成長したいかがぼやっとしてしまっていること

 2. 「人格と同じくらい面白さは大事」

テレビスターのティナ・フェイは「LAXテスト」の代わりに、《サタデー・ナイト・ライブ》のプロデューサー、ローン・マイケルズの評価基準を使うという。「午前三時にトイレで鉢合わせしたくない人間は雇うな。みんな会社にいるんだから」

 ティナ・フェイがこの本に出てくると思わなかったから思わずハイライトしてしまった。

 

3. 「キャリアの作り方」

キャリア計画をつくるための簡単なステップを紹介しよう。

まず、現在ではなく五年後の自分にとって理想の仕事を考えてみよう。どこで、何をしていたいか。いくら稼いでいたいか。仕事内容を書き出そう。たとえばその仕事を転職サイトに載せるとしたら、どんな説明になるだろう。

今度は時計の針を四~五年進めてみよう。あなたはその理想の仕事に就いている。その時点の経歴書は、どんな内容になっているだろう。その理想の職に就くために、その間あなたは何をしたのだろう。

理想の仕事を念頭に置きながら、自分の強みと弱みを評価してみよう。そこにたどりつくために、どんなスキルを磨く必要があるのか。この作業には他の人からのインプットが必要だ。上司や同僚の意見を聞いてみよう。

最後に、どうすればその仕事に就けるのか。どんなトレーニングや実務経験が必要だろう。

ところで、考えた結果、理想の仕事はいまの仕事だという結論に達したなら、それはあなたの野心が小さすぎるということだ。もう一度エクササイズをやり直し、安易に手に入るようなものではなく、少し背伸びした目標を考えてみよう。

これは、外資系の企業の説明会で似たような話を聞く機会が多い気がする。日系はやっぱりどちらかというと会社がレールを敷いてくれるイメージ。

 

4.「いい人ばかりの職場」

嫌いな相手とも一緒に働かなければならない。なぜなら「いい人ばかり」の職場は均質的なことが多く、職場の均質性は悪い結果を招きやすいからだ。

視点の多様性、すなわちダイバーシティは会社が近視眼的になるのを防ぐ、きわめて効果的な政策だ。(中略)多様な人材が同じ職場で働くことで生まれる幅広い視点には計り知れない価値がある

 

これは先週参加したメーカーでのインターンでも思っていた点だった。どの人も真面目で優しい人だったけど、個性的かと言われると首をかしげる感じだったから、ようやくダイバーシティが必要とされる理由が実感できた気がする。

白川克「会社のITはエンジニアに任せるな!」

IT系の会社の説明会などに行くと、「会社の経営層がITを理解していない」とか「今後の業務や経営の改善のためにITが欠かせない」といったフレーズを聞く。そういったフレーズを何度も聞くうちに、「でもITを理解していないってどういうこと?矮小化しているけど、その経営層の人たちだってiPhoneぐらいはきっと使いこなせてるじゃん」みたいな疑問が浮かんできた。

そんなときに勧められた本がこれ。

会社のITはエンジニアに任せるな! ―――成功率95.6%のコンサルタントがIT嫌いの社長に教えていること

会社のITはエンジニアに任せるな! ―――成功率95.6%のコンサルタントがIT嫌いの社長に教えていること

 

ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズというITコンサルの会社に勤める著者が書かれた本で、ITの技術的な解説や最新の技術動向に触れることはせずに、「会社にとってITはそもそも何なのか」を解き明かし、ITを武器にできない理由や武器にするための方法を提示してくれているので、ITに明るくない自分でも読みやすかった。

 

自分用に整理してまとめておく。

 

まず会社にとって重要なITというのは、販売管理システムや生産管理システムといったいくつもの機能が複雑に組み合わさっていて、業務と不可分のシステムを指す。また、業務と不可分ということは、そのシステムの質が競争力の源泉になりうるので、綿密な投資計画を立てることが求められるということ。

 

また、ITプロジェクトは往々にして金額で表現できるような効果がバリバリ出るようなプロジェクトにならないケースがあり、そういったときに社長や経営陣から投資を認められないこともあるとのこと。しかし、実際には数値化しにくい定性的な効果やノウハウの引き継ぎといったメリットがあるので、そこを認めてもらうように説得するのが大事とのこと。あとは、スケジュールとその時期に応じた意思決定。

 

また、通常のITプロジェクトは成功率が30%となかなか低い。しかし、IT部門だけでなく、経営層と業務部門を巻き込むことによって、成功率を上げることができるとのこと。この3者をまとめる仕事がとても大事で、話を聞き、全社最適の観点から方針を決断して丁寧に説得していくことが求められるということ。そういった仕事ができる人物は、不確実で前例のない仕事に取り組むための、リスクを恐れずにゼロベースで考える姿勢が必要とのことで、実際リーダー経験がある人がつとめるとうまくいくことが多いとのこと。

 

簡単にまとめるとこんな感じ。途中に書かれていた、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズのクライアントとの関わり方はとても理想的だなと思いました。しっかりクライアントの人を育てるという姿勢は他のコンサルティングファームでは聞いたことがなかった。

 

このエントリを著者の方に読んでもらえたみたいで感想をいただいた。こういう反応をもらえるのは素直に嬉しい。

ctp-book1.hateblo.jp

就活中間報告その2 自己分析や説明会で気をつけていること4点

その1はこちら

m-tenenbaum.hatenablog.com

その2では、就活を通じて、自分なりに他の学生の様子を見ながら、気をつけていること4点について書く。 

1.レベルの低い質問をしない

企業説明会や説明会にセットで行われることもある内定者の座談会で、学生がする質問のレベルの低さにびびった。その結果、自分は普通の質問したつもりだったけど、「いい質問ですね」と言われることが多いし、インターン中に社員の方に「正直、的を得てない質問する学生多いけど、君は違うね」と言われて、自意識を満たされた。

自分が気になる点が4つほどあって

  1. その質問の意図は何?
  2. ネットで調べてないの?
  3. 自分が似たような質問されたらどう思う?
  4. その人なりの答えがあるような具体的な質問なの?

1は、自分が何を知りたいか考えた上で、その知りたいことを引き出すために最適な質問かどうか考える。もしうまく引き出せなかった時は、反省して次に活かす。これは、インタビューのバイトやっていたおかげで、かなり気にしていると思う。

 

2は、福利厚生やワークライフバランスなどは、vorkersなどの転職サイトである程度見ておく。事業戦略や経営課題もニュースやIR情報で軽く触れておく。

そうするだけで、ある程度クソみたいな質問しなくて済むのに。ちなみに、僕が尊敬している先輩は、「(内定に必要なレベルの)会社の情報を把握すること、それっぽい志望動機を作ること。この2つなんて、2時間もあればできるよ」と言っていて、実際結構な勝率だった。それもまんざら無理な話じゃないと思う。

 

3が特に説明会に参加していて気になる点。「会社はどんな雰囲気ですか?」とか「仕事のやりがいを教えていただいてもいいでしょうか?」みたいな質問する人が本当に多い。

自分が、後輩に「先輩のゼミ(サークルでも可)ってどんな雰囲気ですか?」って聞かれても、ぼんやりとした回答しかできなくないですか?

もっと具体的に「先輩のゼミは忙しい時、週にどの程度ゼミに時間を割くことを求められますか?」とか、「先輩のゼミは、ゼミ員同士での飲み会は月にどれくらいの頻度であるんですか?」ぐらいまで聞いた方が答えやすいし、イメージしやすいと思う。

 

4は、例えば若手の方、中堅の方、部長クラスの方、それぞれの人でしか答えられないような内容があるんんじゃないかと思っている。

部長クラスの方だったら、会社の理念やビジョンに関して、どの程度意識して働き方に落とし込んでいるか聞きたいし、中堅の方だったら、「自分は御社の事業でこんな課題があると思っているけど、あなたが部長だったら事業部をより良くしていくためには何をするか?」みたいな質問して当事者意識やリーダーシップがどの程度あるか聞きたい。

 
2.会社に求めすぎない

勤務時間・社員との相性・給料・やりがい・勤務地・ステータス、他にもあるかもしれないけど、会社に色々求めすぎなんじゃないかな?と思う学生を見かける。少なくとも優先順位をつけた方が良くて、その優先順位をつけるヒントとして本選考前のインターンを活用すればいいのに。

 
3.「軸」にとらわれすぎない

これも簡単に書くと、軸は面接に通るための建前だと考えてもいいのではってこと。もちろん、会社を選ぶ基準はあった方がよいけど、それは知り合いが働いているとか、海外で働けそうとか、自分が若くしてプロジェクトリーダーになれそうとか、そういう卑近なものでいいと思う。ただ、面接でそれを言う訳にはいかないから、「御社が第一志望です」と説得力を持っていうための手段として、軸を設定すればいいじゃんということ。だから、企業ごとに話す自分の軸は違っても構わないと思う。その軸を設定した理由をきちんと説明できることは重要だと思うけども。

 
4.言葉の定義を考える

「やりがい」「優秀」「グローバル」「成長」「リーダー」「裁量」「若手が活躍できる環境」、就活中飛び交う、最もらしいマジックワードを自分なりに定義する努力をしている。「やりがい」って何?みたいなことを自分なりに考え続ける癖をつけている。

 

今後もこれらの点に気をつけながら就活を続けていきたいと思う。

 

追記

この記事読めば一通り網羅されている気がする笑

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