著名人(羽海野チカ・佐藤健など)が語る木皿泉
木皿泉「昨夜のカレー、明日のパン」が文庫化された。2014年の本屋大賞2位に輝いたこともあって、本屋ではなかり目立つ場所に置かれていた。
留学を開始した当初にkindleで読んでとても心打たれたこともあって、自分の中では思い出深い作品。
留学中はこの作品を読んだ勢いから、他の作品やドラマ版の「昨夜のカレー、明日のパン」も見て一気に木皿泉ファンになった。
あるんですよね。人から見たら惨めに見えるような時でも、夢のようにキラキラ輝く時間が。私はあの家であと何回かそれを見届けます。
これがドラマ版で一番好きなセリフ
木皿泉って誰?って人に簡単に説明すると、2000年代を代表するトレビドラマ脚本家で和泉 務と妻鹿 年季子夫妻の共作ペンネームである。自分たち世代だと「野ブタをプロデュース」が一番有名な作品かも。
詳しい経歴はてれびのスキマさんのこのブログがわかりやすいので読んでみてほしい。
今回は、意外と知名度が低いと感じるこの木皿泉という脚本家について、様々な著名人のコメントを元に紹介したいと思う。
1. 羽海野チカ
「3月のライオン」「ハチクロ」でお馴染み羽海野チカは木皿泉ファンで対談もしている
Q10の話から
「死ぬほど考えるしか後悔しない方法はない」と繰り返し諭してくれる。そんなまっとうな大人の意見があることが嬉しい。
2. 松田青子
このエントリでも書いたが、作家の松田青子も木皿泉ファンを公言している。
こういうもんでしょといつの間にか世の中で決められている暗黙のルールを、「すいか」は端から一つ一つ解体しようとしていた。ぞくぞくした。これが私のドラマチックだと思った。
今回初めて知ったけど、「すいか」のシナリオブックの解説を松田さんが書いているのもこれがきっかけかも。
3. 重松清
今回の文庫版「昨夜のカレー、明日のパン」の解説を書いている重松清。
本作の、というより木皿泉さんが小説やドラマで描き出すすべての物語の愉しみは、ストーリーを追うことだけにあるのではない。物語の中に散りばめれられた、大小軽重さまざまな「そうか/それでいいじゃないか」の瞬間を見つけること、そして、それを自分自身の「そうか(=発見)」へと、さらには胸の深いところまでじんわりと染みる「それでいいじゃないか(=解放)」のよろこびへと、繋げていくこと。
4. 佐藤健
「Q10」で主役の佐藤健もテレビで木皿泉と対談していて、その模様がこの本に収録されている
「Q10」の世界観とかほんとに好きで。台本を超えることがまず目標だった。毎週楽しみにしてたって木皿さんに打ち上げの時言ったと思うんですよ。
5. 成馬零一
ドラマ評論家として、様々なコラムを書いている成馬零一の著作「キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家」でも、木皿泉は、宮藤官九郎・岡田惠和・坂元裕二・遊川和彦・古沢良太と並んで現代のテレビドラマを代表する脚本家として取り上げられている
キャラクタードラマの誕生: テレビドラマを更新する6人の脚本家
- 作者: 成馬零一
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見えるものと見えないものを同時に描けるのは物語だけであり、中でも日常の中に異界の住人が紛れ込むファンタジーは、見えないものと向き合う時に最高の力を発揮する。
木皿泉は、そんなファンタジーの力を誰よりも強く信じているのだと思う。
一方でつい先日こんな記事も書かれている
今後も見つけるたびに更新していきたい。