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日々の一部始終

巷で噂の句会「東京マッハ」に行ってきた話

TwitterのTLでしばしば見かけて気になっていた句会「東京マッハ」に年末初めて参加して楽しかった!

年始の特番「共感百景」が好きな人とかは超おすすめ!

次回は、紀伊国屋シアターで400名ほどの規模で行われてるらしいので、機会があったら是非参加してみてはどうでしょうか?

東京マッハって?

この句会の説明をしておくと、まずメンバー4名とゲスト1名の計5名が作った俳句が30個並んでいて、観客と5名はその中から好きな句を選ぶ。この段階では、誰がどの句を作ったかはわからない状態。選んだ後、5名が感想を言いながら、誰がどの句を作ったか発表する。

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わかりづらいとは思うけど、こんな感じ 

 

 レギュラーメンバーは千野帽子(文筆家)・米光一成(ゲームクリエイター)・長嶋有(小説家)・堀本裕樹(俳人)の4名。ゲストが毎回豪華で西加奈子、穂村弘、柴崎友香、松田青子など。今回のゲストは大好きな作家の山内マリコさんだった!

祝「アズミハルコは行方不明」映画化!

アズミ・ハルコは行方不明 (幻冬舎文庫)

アズミ・ハルコは行方不明 (幻冬舎文庫)

 

 

観客にも豊崎由美さん、朝倉かすみさん、枡野浩一さんなどが来てて豪華だった。

実際に参加してみた感想

自分が直感的に良いと思った俳句を、メンバーの方の感想を聞きながら、なぜそれが良いと思ったかを言語化していく過程が超楽しかった。文芸に携わるプロの方の、想像力の豊かさと言語化していくスキルの高さに痺れた。

 

山内マリコさんが初めての俳句とは思えないセンスを発揮して、レギュラーメンバーからの得点が1位!あと、山内さんが木村文乃似ですごいキュート!どうしてああいった作風の作家になった理由とかがつい気になった。

毛糸編む私の水曜日は早い

これがその句なんだけど、自分は「早い」を1日があっという間に過ぎ去ってしまっていることを意味していると思っていたけど、朝が早いという意味でもとれるという人もいて、「あっ、そうか!」ってなった。あと、なぜ水曜日?って思ったけど、やっぱりそこも議論になってた

 

自分が1位に選んだ句はこれ

目配せを交し雪野に踏み込みぬ

これはその情景と瞬間がありありと目に浮かんで素敵だと思った。選んでいるときには、「やばい、自分のセンスが浮き彫りになる...」と思ってドキドキしていたけど、観客からの投票でも1位で安心した。

 

あと、俳句・句会に関する知識が皆無だったので、初めて知った挨拶句という習慣が良かった。挨拶句はゲスト(今回の場合は山内さん)に向けて詠む句のことっぽい。

立山眠る生徒会書記全力走

白足袋の祖母が成りきる原節子

山内さんが富山出身であることにかけた上の句と、「さみしくなったら名前を呼んで」にあったエピソードにかけた下の句。こういう句詠んでもらったら嬉しいだろうなーと思ってしまった。

さみしくなったら名前を呼んで

さみしくなったら名前を呼んで

 

 

最後に千野さんが「山内さんの作品のタイトルはどれも印象的で、それはリズムの良さに秘訣があるのではないかと思った。そういうところから句を詠む才能があるのではないかと思っていたけど、見事に的中した」って言っていて、とっても納得した。 

 

東京マッハのメンバーでもある米光一成さんがタマフルの「翻訳小説特集」にゲストで来た回が面白かったので、よかったらこちらもチェックしてみてください。

m-tenenbaum.hatenablog.com