「サーチ・インサイド・ユアセルフ」とオードリー若林から学ぶ「自信」
引き続き、「サーチ・インサイド・ユアセルフ」で書かれていて印象に残ったことをまとめる。今回は自信の話について。ここでも、思わぬところで他の人とのつながりを発見したから楽しかった。
サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法
- 作者: チャディー・メン・タン,ダニエル・ゴールマン(序文),一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート,柴田裕之
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2016/05/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ちなみに前回は村上春樹の本で書かれたこととの関連性についてまとめた
継続的に自分自身に自信を保つための2つの秘訣として、自己認識と、(自分に)正直であることの重要性が挙げられている中で、こんな文章がでてくる。
私はエンジニアだから、それをこんなふうに考えている。
自分の失敗モードと復元モードという、私が機能するうえで重要なふたつのモードを理解すれば自信につながるのだ。
あるシステムを完璧に理解し、それがどんなふうに故障するかを正確に知っていれば、それがどんなときには故障しないかも知っていることになる。その場合、私はそのシステムが完全ではないことを知っていながら、そのシステムに対して強い自信をもつことができる。なぜなら、どんな状況でも何をどう調節すればいいか、わかっているからだ。そのうえ、故障のあとシステムがどう復元するかも正確に知っていれば、故障したときにさえ自信をもっていられる。システムがすばやく復旧して、故障が取るに足りないものとなる条件がわかっているからだ。
これと同じように、自分の心や情動や能力について、両方のモードを理解していれば、これほど多く欠点を抱えていようと、こんな外見をしていようと、私は自分に自信をもつことができる
この文章を読んだときに、すぐに若林の本のことを思い出した。
去年の年末に読んで以来、ことあるごとに読み返している本。ここにも勿論ランクインしている。
この本の中でネガティブと自他共に認められている若林もこんな風に語っている
ぼくらのような 人間はネガティブで考え過ぎな性格のまま楽しく生きられるようにならなきゃいけないんですよ。
前にも書いたけど性格は形状記憶合金のようなもの。なかなか変えられない。だから、変えるんじゃなくてコントロールできるようになればいい。一人でいる暇なときに限ってネガティブの穴にハマることが多い。そんな時、鳥瞰図的な視点で自分を見てみるとただソファに座ってたりベッドに横になってたりするだけなんですよね。心は荒れてるかもしれないけど、”何も”起きてないんですよ。だから、大丈夫なんですよ。
そんな時は、自分と思考をつなぐクラッチを外して、趣味や家事に没頭してみたり。それを何千回と繰り返すうちに癖になって、なんとなくネガティブといい付き合いができるようになる。ぼくは自分を変えるなんてめんどくさいこと、だいぶ前に投げ出しちゃいました。
この話などを踏まえて、最近は、なんとなく自分の心の状態をモニタリングしようという意識がついている。心が内向きになってしまった時に、内向きになっていることを認識した上で、乗り越える方法をいろいろ試してみたい。
余談だけど、こないだのANNでの若林の「俺は、仕事嫌だなぁって思ってる人を元気づける漫才がしたいんだよ、仕事も楽しくてプライベートも楽しいなんてヤツは笑わなくたっていいんだよ!」って叫び、冗談半分で言ってそうだったけど、迂闊にもグッときてしまった。
「サーチ・インサイド・ユアセルフ」と村上春樹が語る「痛みと苦しみ」
「How Google Works」を読んでから、Googleの、科学的な知見を日々の働き方に落とし込む姿勢に関心を持っていたところにまた新たな本が発売されたので、早速読んでみた。
サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法
- 作者: チャディー・メン・タン,ダニエル・ゴールマン(序文),一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート,柴田裕之
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2016/05/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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若干乱暴に本の話をまとめると、心の整え方を教えつつ、心が整うと、生活がどのように変化するのか?について語っている。
つい最近までこの手の話には全く興味がなかったのだけど、近頃はこの手の本にも手を伸ばすようになった。
理由としては2つほどあって、1つ目は、もうすぐ社会人になるし、お金や地位に振り回されることなく、鬱にならずに一生懸命仕事をしながら、幸せに生活していくためにはどうしたらいいのだろうか?みたいな抽象的なことを考えるようになったこと。
2つ目は、元々あまり自分に自信を持てないタイプの性格で、それが故にあまりうまくいかないこととかもあって、これからその性格にどう折り合いをつけていったらいいのか、みたいなことを考えるようになったこと。
ただ、どちらにしてもなるべく科学的な裏付けが取れている知識を学びたいという思いは持っている。
本の中身の話に戻すと、様々な示唆があった。その中でも、まずは「痛みと苦しみ」についての話が印象に残った。
途中、こんな話が出てくる
瞑想からは、人生を変える重要な悟りがいくつも得られる。なかでもとくに重要なのが、痛みと苦しみは質的に別個のもので、痛みはかならずしも苦しみに結びつかないという悟りだ。そして、この悟りのもとは、執着を捨てる練習にたどれる。
肉体的な痛みがあり、それとは別に嫌悪の経験がある。未熟な心はこのふたつを、ひとつの分かち難い経験にまとめてしまうが、鍛えられた心はふたつの別個の経験を見分け、一方がもう一方をもたらしていることを悟る。
だいぶスピリチュアルっぽい話なので、普段なら「何言ってるかよくわからないわー」って読み飛ばしてしまいがちなんだけど、今回は違った。なぜなら、その前に読んだ村上春樹の「走ることについて語るときに僕の語ること」に偶然同じような話が出ていたから。
Pain is inevitable. Suffering is optional.
それが彼のマントラだった。正確なニュアンスは日本語に訳しにくいのだが、あえてごく簡単に訳せば、「痛みは避けがたいが、苦しみはオプショナル(こちら次第)」ということになる。たとえば走っていて「ああ、きつい、もう駄目だ」と思ったとして、「きつい」というのは避けようのない事実だが、「もう駄目」かどうかはあくまで本人の裁量に委ねられていることである。
この言葉は、マラソンという競技のいちばん大事な部分を簡潔に要約していると思う。
この本では、走ることを媒介にして、自分の小説家としての生き方やこだわりを振り返る。村上春樹作品では孤独なキャラクターが出てくることが多いが、彼自身は孤独をどう捉えて、それとどう向き合っているかなどについて改めて知ることができるのだが、「サーチ・インサイド・ユアセルフ」と同じ話がたまたま出てきてびっくりした。
正直言って、自分はまだまだ「痛み」と「苦しみ」の違いが分かっているとはとても思えない。ただ。こういった考え方があるといったことは頭の片隅においておきたいなーと思った。
是枝裕和「歩くような速さで」・「世界といまを考える」
中学生の時に「誰も知らない」を見て衝撃を受けて以来、大好きな映画監督の一人である是枝監督の新作「海よりもまだ深く」が週末に公開される。これを機に、エッセイ「歩くような速さで」・対談集「世界といまを考える」を読んだので、新作を見る上でヒントになりそうな部分を2つほど探してみた。
1. 家の扱い方
このインタビューによると、今作は監督が生まれ育った団地が舞台になっているとのこと。「歩くような速さ」では故郷についてこう語っている。
一戸建てに生まれ育った母にとっては集合住宅というのは何とも居心地が悪かったらしく、「仮住まい」という感覚がずっと消えなかったように思う。残念ながらということになるのだろう、父も母もこの団地が終の住処になった。
僕自身も団地を離れて20年が経ち、帰郷する場所を失ってから既に5年になる。故郷と呼べる場所はこの世に存在しないという寂しさ。自分のこどもにとって今住んでいるマンションがやがて「故郷」と呼べる場所になり得るのだろうかという不安。いつかそんな感情も映画の中で描いてみたいと思っている。
「海街dairy」では、何代も住み続けた家が舞台として重要な役割を担っていたが、今作では家がどのような役割を果たしているのかについて注意してみたいと思う。
2. 描きたい世界
今回の作品は事前の情報だと、これまでの作品のような子供の取り違えや、子供の置き去りといったわりと、言い方は悪いが「キャッチーな出来事」はなさそうな地味な作品という印象を抱いている。阿部寛がうだつの上がらない中年を演じるという共通点もあるので、これまでの作品でいうと、「歩いても 歩いても」に近そうな雰囲気
「歩くような速さで」は、こう書かれている。
僕は主人公が弱点を克服して家族を守り、世界を救うといった話が好きではない。むしろそんなヒーローが存在しない等身大の人間だけが暮らす薄汚れた世界が、ふと美しく見える瞬間を描きたい。そのために必要なのは歯を食いしばることではなく、つい他者を求めてしまう弱さなのではないか。欠如は欠如ではない。可能性なのだ。そう考えると世界は不完全なまま、不完全であるからこそ豊かだと、そう思えてくるはずだ。
「世界といまを考える」では、
僕の場合は、演技を撮るわけではなく、その人がそこで生活をしていて、その周りに人がいて、家があり、町があり、世界がちゃんとそこにある。彼らは映画が終わったあともそこで暮らし、もちろん映画が始まる前もそこで話したり、笑ったり、泣いたりしていたんだろうという、そういう世界を映画という枠組みの中に立ち上がらせたいんです。
こういった発言からも、今回はより普遍的な日常に寄り添った話になりそうな気がしている。
あー楽しみ!!
以前見た「奇跡」・「海街diary」の感想はこちら
松田青子「ロマンティックあげない」
松田青子さんの新しいエッセイ集「ロマンティックあげない」を読んだ
カラフルなワンピースに電動ノコギリという印象的な装画はKelly Reemtsenという人によって描かれたもの。松田さん曰く、ネットでの連載時から単行本になった際は、彼女に装画を依頼しようと思っていたとのこと。前回のエッセイ集「読めよ、さらば憂いなし」など、それまでの作品は名久井直子さんが装幀を手がけていて、それらも素敵だった。
「読めよ、さらば憂いなし」の感想は以前に書いたので、読んでみてほしい。松田さんに興味を持ったきっかけなども書いてある。
「読めよ、さらば憂いなし」では、小説・マンガ・ドラマなどがメインで書かれていたが、「ロマンティックあげない」では普段の生活の中で気付いたことなどがメインで書かれている。
いくつかのエッセイの切り口は、海外文学に精通しているという類似点もあって、どこか岸本佐知子さんのエッセイを思い出させる。瑣末なことから段々妄想が膨らんでくる感じ。(書いてて思ったけど、エッセイって元来そういうものかもしれない...)
こっちはまだ読んでないから早く読みたい
話を「ロマンティックあげない」 に戻して、印象的なエピソードを3つあげる
1. 隣の席の人
2. 時代は特に変わっていない
3. 「心のこもった」はタチが悪い
1は、自分が思い入れのある映画館でのエピソードだから嬉しくなった。2・3は、社会的な事象について語ったエピソード。松田さんは前のエッセイでもそうだったけど、そういった事象でも意見をいうことを恐れないし、尊敬できる大人の女性って感じがしてそこも好き。
生活や仕事をしているだけなのに、ただその場にいるだけなのに、トンチンカンな言動が爆弾みたいに投下される。その瞬間のアホらしさ。そしてそれに気を遣って笑わなければいけないむなしさ。一人でもそういう木枯らし気分を味わう人がいる限りは、時代は変わっていない。
「問題のあるレストラン」とか好きな人にも読んでもらいたい。
もちろん、そういった社会的なトピックだけでなくて、バレエ「白鳥の湖」に興奮した話とかユーモアのあるトピックもあるので気構えず読めますよ〜
2016GW振り返り
学生最後(のつもり)のGWだったので、メモしておこうと思う。
基本的にはバイトばっかりしていた気がするけど、それだと悲しい気持ちになるので
1. 浜松旅行
浜松に1泊2日で行った。
目的は2つあって、1つ目は中高の友達と旧交を温めること、2つ目はアントラーズvsジュビロの試合を見ることだった。
とりあえず試合当日の午前中に浜松に到着。思っていたより都会という印象。友達と合流して、そのままさわやかに。深川麻衣さんの乃木坂46卒業を記念してげんこつハンバーグをいただく。美味しかったです。友達曰く、浜松なら餃子よりさわやかの方が期待を裏切らないとのこと。それは怪しい。
試合のキックオフまでに時間があるということで、近くのイオンに寄る。今までみたイオン史上最も巨大だった。
老若男女問わずたくさん人がいて賑わっていた。一足先に社会人になった友達が「地方勤務だと週末は本当にやることないからイオン行く」と言っていたけど、それも嘘ではなさそうだった。山内マリコ作品に出てくる女子高生っぽく「ここは私のいる場所じゃない!私は東京でもっとキラキラした生活を送るの!」みたいな気分になる。
そんなこんなを経て、スタジアムに到着し、試合観戦。
初めての磐田スタジアムはサッカー専用競技場だからピッチとの距離が近くてナイスな反面、席取りをミスり、ゴール前が見辛い席になったのはむむむだった。
肝心の結果はドロー。アントラーズ的には優勝が遠のく。痛すぎる。ジュビロは大井や太田といった出戻りの選手が多くて懐かしい気持ちになる。松井大輔は身体が重そうだった。
試合後、浜松のお店の閉店時間が軒並み早いことに驚きつつ、友人宅で語らいながら、ジャイアント・キリングを読み進める。やっていることが中学生の時から変わっていなくて苦笑する。13巻くらいから25巻くらいまで読んだ。サックラーにシンパシー
GIANT KILLING(13) (モーニングコミックス)
- 作者: ツジトモ,綱本将也
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/09/28
- メディア: Kindle版
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次の日は、まさかの寝坊でバスに遅れて新幹線で帰る羽目になるという痛恨のミスを犯したけど、トータルでは満足でした。
旅のBGM
Special Favorite Music "GOLD" (Official Music Video)
2. 「旅するルイ・ヴィトン」展
浜松旅行はGW終盤だったのだが、GW前半はお金が今までで一番なかったので、できるだけバイトして支出を抑えてた。(どうしてもって時はクレジットカードを使って、来月の自分に期待する羽目になっていた...)
そんな中、twitterでたまたま感想を見かけて、調べてみたら無料で入場できる上に近所だったので行ったのがルイ・ヴィトン展
そもそも就活当初に冷やかし半分でLVMHの説明会に行った時に「フランスの田舎者が作り始めたカバンが、100年以上たった今では世界中で一種のステータスを示すプロダクトになったってすごいなー。それを成し遂げた要因や維持する秘訣ってなんだろう〜?」って気になったくらいで、基本的には門外漢の自分でも大満足の内容だった。
展示スペースの作り方やスタッフの人の対応(最寄駅からそんなに遠くないのにバス送迎あった)とか細部にわたって気合が伝わってきて、さすが世界を代表するラグジュアリーブランドの展示会だった。この前にいったピクサー展もすごかったけど、レベルが違った。
発展を成し遂げた要因には、移動手段の発達(船・列車)が大きかったのかなーと。移動手段が発達するにつれて、それまで一部の富裕層に限られていた旅のハードルが下がり、大きな荷物を抱えて旅ができるようになった。そこで、丈夫で防犯のしっかりしたルイヴィトンのカバンのニーズができたのでは?みたいなことを考えた。
ラグジュアリーブランドは独特のビジネスだから、詳しいことを本で調べてみたい。
3. その他
普段頻繁には会わない友達と何度か飲みに行ったので、色々な話をしたのも楽しかった。テニスサークルの面妖なシステムや男尊女卑の風潮に慄いたり、宇多田ヒカルが今の自分の年頃で結婚して、「ULTRA BLUE」出してることに仰天したりしていた。あと、2年間行かなかったので今年はフジロック行きたいと思った。
「イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ」
いきなりなんですが、イケアが40年間人気を保ち、彼らを凌ぐ競合他社が出てこない秘訣と、夫婦円満の秘訣に共通項があると言われたら、それが何か思いつきますか?
イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ
- 作者: クレイトン・M・クリステンセン,ジェームズ・アルワース,カレン・ディロン,櫻井祐子
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2012/12/07
- メディア: 単行本
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わたしたちが製品を購入する動機になるのは、「自分には片付けなくてはならない用事があり、この製品があればそれを片付ける助けにある」という思いだ。
(中略)
イケアは特定の属性をもつ消費者集団に、特定の家具を販売しようとはしない。そうではなく、消費者が家族とともに新しい環境に身を落ち着けようにとする際にしょっちゅう生じる用事に焦点をあてている。
「明日中に新しい家の家具をそろえなくちゃ。次の日には出社するんだから。」
競合企業はイケアの製品を模倣できる。店舗レイアウトする模倣できる。だがいまだ模倣されたことがないのは、イケアが製品と店舗レイアウトを統合している、その方法なのだ。
片付けるべき用事のレンズを通して結婚生活を見れば、お互いに対して最も誠実な夫婦とは、お互いが片付けなくてはならない用事を理解した二人であり、その仕事を確実に、そしてうまく片付けている二人だとわかる。この気づきは、わたしに計り知れない影響をおよぼした。妻が片付ける必要のある用事を心から理解しようとすることで、妻への愛情がますます深まる。妻もおそらく同じように思ってくれていることだろう。これに対して離婚は、自分の求めるものを相手が与えてくれるかどうかという観点から、結婚生活をとらえていることに、原因の一端があることが多い。
長時間の逆質問が苦にならないために読んでおきたい本
金融系の企業を受けている友人と話していて、「リクルーター面談で逆質問の時間を長く取っている企業が多いんだけど、質問が途切れないコツってない?」と聞かれたので、ある本を勧めたところ、友人はすぐに買って読んでくれたようで、「使えた!」と喜んでくれた。僕も嬉しかったのでその勢いでブログを書いてみた。
勧めた本がこちら
オードリーのANNでいじられることでお馴染みニッポン放送アナウンサーよっぴーが書いた会話の技術に関する本
この本が優れていると思う点は2点あり、1点目は今で言う「コミュ障」だった筆者が話すことが仕事のアナウンサーとして生きていくために身につけた実践的なスキルが書かれている点。2点目はコミュニケーションに関して、自分の話をするのではなく、聞くことに主眼を置いている点
コミュニケーションが成立して、そこで感心したり共感したり、笑い合ったり幸せな気持ちになったり、そういうポジティヴな感覚を得ることなしに人は楽になれません。そこがコミュニケーションの根幹であって目的のはずなんです。
いわゆる会話術の本だと、自分の意図に相手を乗せるための技術とかが語られがちだけど、もっと優しい目線で語られていて好感持てる。
相手に対して優位に立たないですむ技術。①ホメる②驚く③おもしろがる
この姿勢を忘れずに、質問をする時には
まず自分の目をカメラだとして、話そうとしている事柄に対し、全体からズームインしていく方法と全体へズームアウトしていく方法を、ひとつの話のなかで混同しないことです。
(中略)
質問も同じで、相手に訊くことをズームインしていくか、ズームアウトしていくか、そのスコープがきちんと守られていると話全体が段階的に深くなっていくんです。時系列に沿って訊くやり方もそうですけれど、質問を重ねるのに順番を大事にするのは、話の展開としてとても重要なテクニックです。
このことを忘れなければ、「転機となった仕事って何ですか?」とか「今までで一番成長したと思えるプロジェクトってどんなプロジェクトでしたか?」のようなザックリした質問を投げても、その後、どんどんズームインして質問を重ねることができると思う。